師は弟子自らの気づきをうながした

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.49:
このアーティストは教育的に優れたあらゆる資質を持ち、その知性と忍耐強さのおかげでダンサーたちそれぞれに合った指導方法を見出すことができた。生徒たちにはつま先の強化を強調し、筋肉に注意を払うよう常に言っていた。
Telperion訳:
このアーティストの教育者としての才能はひとえに、知性と忍耐をもって、ダンサーたちに自分の流儀を見つけさせ、彼らの優れた点を明らかにし、弟子が自分の筋肉に耳を傾けるように強調したことにある。
原本『Noureev』:
Tout le talent pédagogique de cet artiste réside dans l'intelligence et la patience avec lesquelles il laisse les danseurs trouver leur proper manière, mettant en évidence leurs points forts et insistant pour que ses élèves soient à l'écoute de leurs muscles.

ワガノワ・アカデミーにおけるヌレエフの師アレキサンドル・プーシキンについて。

point(点)とpointe(つま先)の見間違い

pointの基本的な意味は「点」で、"point fort"は強い個所、つまり長所。「つま先」はpointe。

自分の特性を見つけ出すのは生徒たち

"laisse les danseurs trouver"では弱い使役動詞laisserが使われており、「ダンサーたちが見つけるのにまかせる」。各自固有の方法を見出す(trouver leur proper manière)のはダンサーであり、プーシキンはその手助けをするという姿勢だった。方法はダンサーたちが見出すのだから、踊る方法のことであり、指導方法ではない。

あらゆる資質を持っていたわけではない

"Tout le talent pédagogique"(教育的な才能のすべて)は"de cet artiste"(このアーティストの)で修飾されているので、あくまでプーシキンに備わった才能のすべてということ。教育者としての才能のうち、プーシキンが持っていないものが存在するのを、否定するものではない。

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