伝記『ヌレエフ』の翻訳の検討

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)と『ヌレエフとの密なる時』(ローラン・プティ著、新倉真由美訳、新風舎)の誤訳と改変。『バッキンガム宮殿の日常生活』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)の一部も対象

新年のごあいさつ 2015

あけましておめでとうございます。何かのご縁でこのブログを訪れた方にとって、いい年になりますように。

去年落ちた沼

去年暮れのツイッターでいろいろな人たちの「今年落ちた沼」が話題になっていましたが、私にとって『バッキンガム宮殿での日常生活』はまさにそうでした。原本を買う前、新倉本の約18ページから記事のネタにしたのは48か所。小さめの誤訳はあちこち省いたのにこれです。新倉本の本文は328ページくらいなので、推定ネタ数は48/18*328=約875か所。特に目に余る個所だけ掘り出すつもりでいても、深入りしたら実生活に支障が出かねません。それでも原書を買わずにはいられませんでした。

最近は記事を仕上げるのに時間がかかるようになりました。意欲はあっても、取り掛かるのが億劫になってきたのは確かです。だからハイペースでは書けませんが、それだけに一段落するまでにはまだ時間がかかりそうです。

別のヌレエフ伝記が新倉訳で出版される可能性におののく

フランスamazonのフランス語書籍(Livres en français)カテゴリでNoureevを検索すると、Meyer-Stableyの『Noureev』と同じく上位に来る本が、Ariane Dollfus著『Noureev : L'insoumis』。私が以前見かけたhttp://www.club-willbe.jp/info/1117niikura.htmlというページで、新倉真由美がこう語っているのですが、間違いなくこの本です。

実は、もう一冊ヌレエフの本を見つけてしまって、今それを読んでいる最中なんです。その本は、女性のジャーナリストが書いているのですが、彼女はヌレエフのマニアックなファンのようです。それもあって、同じヌレエフという題材を扱っていながら、まったく違う切り口で書かれています。その本を翻訳し、また別の視点からヌレエフを紹介してみたいという気持ちもありますね。

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』であんなに好き勝手してくれただけでは気が済まないのですか。DollfusはMeyer-Stableyのような芸能ジャーナリストではなく、ダンス専門のジャーナリストで、レビューの1つを読む限り、とても真面目な態度で著作に取り組んだらしいというのに。

でもDollfusの本は24 x 3.5 x 15 cm。11 x 1.8 x 17 cm の『Noureev』ですら完訳しなかった新倉真由美が手を付けられる文章量とは思えません。だから本気で心配はしていませんでした。

しかし『Buckingham Palace au temps d'Élisabeth II』は22.5 x 3 x 14 cm。『バッキンガム』出版のせいで、「専門外の長大な書籍を見事邦訳出版したのだから、似たサイズのバレエ本なら余裕でできる」という変な自信を新倉真由美と文園社がつけなかったとも限りません。すでに文園社の雑誌「バレリーナへの道」94号のヌレエフ特集でDollfus本は参考文献として取り上げられました。まさか水面下で話が進んでいたらどうしよう…

新年早々、こんな想像を公表するのは、とても縁起が悪いとは思います。でも黙り続けてもいられなくて。どうか杞憂でありますように。

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Telperion

Author:Telperion
バレエへの関心が芽生えたのは2011年1月。その翌月に読んだ『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』は、そんな新参の私から見ても、間違いや意味不明な記述が多すぎました。その原因のほとんどが翻訳のひどさだと気づいたことからブログ開設を思い立ち、今は同じ訳者による邦訳本3冊を取り上げています。詳しくはこのブログでしたいこと 第3版をご覧ください。
フランス語の学習を始めたのは『ヌレエフ』に出会う少し前。まだまだ知識は浅く、至らぬところもあるでしょう。お気づきのことはぜひ知らせてください。リンクはご自由に。

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