モスクワは飛行機の出発地(1)

『ヌレエフ』P.74:
モスクワへの飛行機移動
Telperion訳:
モスクワからの飛行機移動
原本『Noureev』:
le transport par avion depuis Moscou

レニングラードのキーロフ・バレエで踊っていたころ、真冬にロシア北部のヨシュカル・オラ(地名については後述)に派遣されることになったヌレエフが出した条件。

Moscou(モスクワ)の前にある前置詞depuisは「~から」。「~へ」という意味はない。モスクワは疑問の余地なく、飛行機の出発地。目的地はもちろんヨシュカル・オラだろう。

ヌレエフはヨシュカル・オラへの旅の寒さで筋肉に支障が出ることを恐れ、この条件を出した。飛行機なら寒さに耐える時間が減るのだ。あいにく、実際にはこの条件は守られなかったのだが。飛行機の出発地がヌレエフの住むレニングラードでなくモスクワなのは、モスクワほどの大都市でないレニングラードにはヨシュカル・オラへの便がなかったからだと推測できる。

レニングラードからモスクワへの移動は、モスクワからヨシュカル・オラへの移動に比べて取るに足らない距離のはず。新倉真由美のヌレエフがモスクワまでの移動にしか手を打たないのは不自然。

原著者のミス - 地名

ヌレエフの派遣先は原文ではIochko-Rola(訳本P.74ではイオチコ・ローラ)だが、恐らくフランス語表記Iochkar-Olaという都市のことだと思う。Iochko-Rolaというスペルではインターネット上の検索で用例が見つからないし、伝記『Nureyev: His Life』(Diane Solway著)ではIoshkar-Olaとある。

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