周りを翻弄しながらも魅せる人物がただの怒りん坊に

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.162:
気が散って苛立ち激怒する。
Telperion訳:
面食らわせ、いら立たせ、魅惑する。
原本『Noureev』:
il déconcerte, irrite, fascine.

述語3つはすべて能動態なので、ヌレエフから他者への働きかけだと分かる。2番目のirriteを例にとると、ヌレエフがいら立つのではなく、ヌレエフのせいで他者がいら立つ。

このあたりでは、ヌレエフがくるくる気分を変える様子が描かれている。だから「いら立たせる」と「魅惑する」が並ぶのには何の不思議もない。fasciner(魅惑する)に「激怒する」という訳はあり得ない。

2012/6/22追記

déconcerterは「狼狽させる、まごつかせる」。新倉真由美はdéconcentrer(分散させる、注意をそらす)と混同した上で、受動態のように扱ったように見える。

関連記事

コメント

非公開コメント