一番年下でないアンドルー王子

『バッキンガム』P.46:
宮殿に住んでいる子どもたちはここにやってきて数時間を過ごす。一番年下のアンドリューは塩を入れて遊んでいた。
Meyer-Stabley原本:
Les enfants du personnel résidant au palais y ont accès à certaines heures. Plus jeune, Andrew s'est bien sûr amusé à y verser des sels de bain,
Telperion訳:
宮殿に住む職員の子どもたちは、数時間ここに自由に入れる。幼いころのアンドルーはもちろん、そこにバス・ソルトを注ぎ込むのを楽しみ、

宮殿に隣接するプールについて。

新倉真由美が「一番年下の」と訳した"plus jeune"は、形容詞の比較級「もっと若い」。もっと若いアンドルーとは、子どもだった頃のアンドルー。最上級「最も若い」になるには、定冠詞leが"plus jeune"の前に付く必要がある。

形容詞の比較級と最上級の違いに無頓着だったとしても、「一番年下のアンドルー」という解釈には奇妙な点が2つある。

  1. プールに入れる子どもたちは、原文では明確に"les enfants du personnel"(職員の子どもたち)と書かれている。その後で「一番年下の」と呼ぶと、「職員の子どもたちのなかで一番年下の」という含みが生まれるが、職員の子でないアンドルーをそうは言わないだろう。
  2. アンドルーは女王の4人の子のなかで3番目。新倉真由美は末のエドワードが生まれる前を想定しているのかも知れないが、年齢を限定するための表現としては回りくどいと思う。

なお、アンドルーがプールに入れていた"sels de bain"は、単語を英語に置き換えると"salts of bath"となるので、バス・ソルトだと見当が付く。実際、ラルース仏語辞典にも載っている。

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