父は下級兵士止まりではない

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.12:
砲兵隊に配属され、家族の運命はその異動にかかっていたが、結局下級兵士のままだった。
Telperion訳:
砲兵大隊に配属され、開戦まで家族の運命は大隊の移動にかかることになる。が、彼は尉官のままだった。
原本『Noureev』:
Il est attaché à un bataillon d'artillerie et, jusqu'à la déclaration de guerre, le sort de sa famille va dépendre des déplacements de son bataillon - mais il reste un gradé subalterne.

ヌレエフの父ハメットの軍人としての地位について。

尉官にまでは昇進した

ハメットは第二次世界大戦の前線に中尉として赴くので(訳本P.15)、開戦時には少なくとも少尉だったはず。戦中には大尉に昇進する。下級兵士というほど低い階級ではない。「尉官」に相当するフランス語は"officier subalterne"だが、原文の"gradé subalterne"も同様の意味と思う。

家族にとっての一大事は父の所属部隊の移動

"des déplacements de son bataillon"は「彼の大隊の移動」。「家族の運命が大隊の移動にかかる」とは、ハメットの赴任地が妻子にとって一番の関心事だったということ。母ファリダが身重の体で3人の子を連れてシベリア横断鉄道に乗るくらいだから、家族が一緒にいるというのは大事なことで、階級だけが問題ではなかったはず。

述べているのは第二次世界大戦前のこと

原文で「開戦まで」(jusqu'à la déclaration de guerre)とあるのは、第二次世界大戦の開戦後、ヌレエフ一家の暮らしが激変したから。夫は遠くの前線に送られ、妻子とは何年も会えなくなり、残された妻子も生き抜くためのつらい暮らしを強いられる。

主な更新

2014/2/5
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