指示は指揮者の腕の見せ所

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.299:
指揮は単に拍子をとったり指示するだけでなく、演奏に彼個人の色をもたらす。
Telperion訳:
指揮とは拍子を取ってスタートを切るだけではなく、演奏に独自の色をもたらすことでもあり、
原本『Noureev』:
Diriger, ce n'est pas seulement battre la mesure et donner les départs mais c'est aussi apporter sa couleur personnelle à une interprétation,

指揮者の活動を始めたヌレエフへのジェラール・マノニの批判から。

"donner les départs"の直訳は「始まりを与える」。donnerには「伝える」という意味もあり、曲を始める合図を送ることだと推測できる。それなら指揮者の仕事のうち最も簡単と言ってよく、拍子を取るのと同様、素人にもできる指揮者の動作としてふさわしい。

その指揮者ならではの演奏をオーケストラにさせることが指揮の肝心な点であることは、マノニの言うとおり。指揮者はそれを実現するために、オーケストラに様々な指示を出す。リハーサルでは言葉でもいろいろ伝えるだろうし、棒を振るのも指示の一環。「指揮は単に指示するだけではない」と言われると、「指示は指揮のなかで最も重要なことではないですか」と反論したくなる。

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