伝記『ヌレエフ』の翻訳の検討

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)と『ヌレエフとの密なる時』(ローラン・プティ著、新倉真由美訳、新風舎)の誤訳と改変。『バッキンガム宮殿の日常生活』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)の一部も対象

『ヌレエフ』第8~14章の間違い一覧: 様々な側面

以下の一覧は、原本『Noureev』(Bertrand Meyer-Stabley著、Éditions Payot & Rivages)の内容が訳本『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』(新倉真由美訳、文園社)で変わってしまった個所の一覧です。これ以外の一覧は以下のとおり。

第8章 マーゴット
P.144 魅せられたのはヌレエフでなくフォンテーン
P.144 半分恋するのは踊りのため
P.145 イギリスの女王でなく皇太后
P.148 ヌレエフの官能性が当時のバレエに波及したとは限らない
P.151 関係悪化の原因として語られるのはブルーンの感情のみ
P.151-152 感情のせめぎ合いは決して収束しなかった
P.156 フォンテーンは苦悩よりまず思いやりの人
P.156 レストランで接客するのはレストランの人間
P.157 嫉妬深いのはフォンテーンの夫ではない
P.158 ローレンス・オリヴィエ夫妻がエージェント扱い
第9章 ルディマニア
P.160 1960年代のヌレエフと諸バレエ団の共演
P.161 男性から女性のものになったバレエ
P.162 舞台では自分が一番
P.162 「魅惑する」が「激怒する」に
P.164 記者をからかうヌレエフに好意的な原著者
P.164 お騒がせスターの称号 - カラスからヌレエフへ
P.166 いちゃついたのは一晩中でなくパーティの間
P.166 残ったのは意図的
P.167 予見できないのは人生でなく人の行動
P.168 女性プロデューサーが男性扱い
P.168 レセプションで主役が気づかれないのは奇妙
P.169 グラスの割り方は案外静か
P.169 談話の語り手も範囲も間違い
P.169 トリエステは人名でなく地名
P.169-170 タイトルをつけるマスコミの心境
P.170 観客が踊りに立ち入らないのは当たり前
第10章 ジキル博士とハイド氏
P.176 堕落から生まれたのでなく、堕落を生んだ羞恥心
P.178 マッチョ好き説よりセレブ好き説を支持する原著者
P.179 俳優ブリアリーとパーキンス
P.179-180 ミック・ジャガーの想像は赤面するほどのものではない
P.180 第三者の感想がミック・ジャガー本人の告白に化ける
P.181-182 逃れたという事実が思い込みのような扱い
P.182 ジェラルド・リヴェラの夢想が実体験のような扱い
P.182 根拠薄弱と思われるイヴ・サンローランとの恋愛
P.183 必ずしも人格者でないエリック・ブルーン
P.183 エリック・ブルーンが名声先行?
P.184 自由を取り戻すためにヌレエフと別れたと明言するポッツ
P.184 同じでないのは恋愛感情と友情
P.185 ヌレエフとトレイシーの共演は続いていない
P.186 ロバート・トレイシーとの関係に固執したわけではない
P.186 性欲を持て余したとは限らない
P.188 モニク・ヴァン・ヴーレンがヌレエフに及ぼした影響
第11章 ヌレエフ・ビジネス
P.190 金銭感覚を単純にほめてはいない
P.194 「整理された」が「金色の」に
P.195 サングラスとsingularise
P.195 絨毯の商人とはヌレエフのたとえ
P.196 予期できた「ヌレエフと仲間たち」の大当たり
第12章 ジェット族
P.200 ヌレエフの海辺好きとサン・バルテルミーの家
P.200 tour(一周)とtournée(巡業)
P.200 セレブな友人たちによる歓待
P.200 マリー=エレーヌ・ド・ロスチャイルドとヌレエフは仲が良かった
P.201-202 鉢合わせは交友の一例ではない
P.202 ご機嫌取りの応酬
P.204 ナンパ相手を襲おうとしているかのような印象操作
P.204 テネシー・ウィリアムズの言葉が事実とは限らない
P.205 châle(ショール)とchalet(シャレー)
P.206 répétition(稽古)とreprésentation(公演) - ウォーホル編
P.208 人が入る大きさのドレッサー?
P.208 狂気を競ったヌレエフとエリザベット・クーパー
P.209 ヌレエフの寄与を惜しみなく認めるフォンテーン
P.209 粗野なエネルギーは確かにあった
P.210 ヌレエフに好意的なフランスの女性ダンサーたち
P.211 感じが悪くなったポントワによるヌレエフ評
P.211 喧嘩の相手を引っかく男?
P.211 ヌレエフの凶暴さは伝聞ほどではないという証言
第13章 光と影
P.218 蜜月時代が終わったヌレエフとロイヤル・バレエ
P.220 課外授業としてヌレエフを見たデュポン
P.220 批評家の価値観、批評家が推測したヌレエフの価値観
P.221 ヌレエフの調子を整えるのは古典バレエ
P.221 舞台のヌレエフの特徴である風格
P.221 ヌレエフの好きな身なり
P.222 ヌレエフの談話が展示会関係者のものに
P.226 オランジュリーは美術館でなくレストラン
P.227-228 衣装係が邸宅の監視を依頼されるのは不自然
P.228 FBIの捜査があったという証拠
P.229 FBIが知りたいのは部屋への立ち入り
P.229-230 FBIは通報される側の機関
第14章 ヴァレンチノ
P.232 ハリウッドにとってヴァレンティノに利用価値はあった
P.233 ボクシングのシーンは創作
P.234 ロシア訛り、イタリア系アメリカ訛り、イギリス訛り
P.234 巻き込まれるのはヌレエフでなくヴァレンティノ
P.236 当初ヴァレンティノを気に入らなかったヌレエフ
P.236 演じる役に自分を投影
P.236 驚かせたのは監督ラッセルでなく俳優ヌレエフ
P.237 踊りと映画の比較が経験談から一般論に
P.238 「ヴァレンティノ」用衣装の制作委託
P.238 ヴァレンティノの低身長を皮肉る原著者
P.239 レスリー・キャロンの謙虚さがヌレエフの高慢に書き換わる
P.240 知性的で強い性格なのはヌレエフ
P.240 人物ヌレエフよりダンサー、ヌレエフを評価
P.240 賛辞の対象は映画全体でなく主演男優ヌレエフ

更新履歴

2013/2/25
この記事を全一覧の前半部分として作成
2014/1/17
記事数が多くなってきたので、全一覧を3分割し、この記事を2番目の一覧記事として書き直し

なお、この記事の作成日が2012/6/4になっているのは、3つの一覧記事を順に並べるための都合です。

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Author:Telperion
バレエへの関心が芽生えたのは2011年1月。その翌月に読んだ『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』は、そんな新参の私から見ても、間違いや意味不明な記述が多すぎました。その原因のほとんどが翻訳のひどさだと気づいたことからブログ開設を思い立ち、今は同じ訳者による邦訳本3冊を取り上げています。詳しくはこのブログでしたいこと 第3版をご覧ください。
フランス語の学習を始めたのは『ヌレエフ』に出会う少し前。まだまだ知識は浅く、至らぬところもあるでしょう。お気づきのことはぜひ知らせてください。リンクはご自由に。

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マーゴ・フォンテーン エリック・ブルーン ノートルダム・ド・パリ パトリック・デュポン マリア・トールチーフ ミック・ジャガー 

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