知性的で強い性格なのはヌレエフ

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.240:
ジョナサン・ベンソンは推測する。「彼は台本とは違い知性的で強い性格の人物を誕生させ、より強く非常に頑固一徹に演じたのです。
Telperion訳:
ジョナサン・ベンソンは考える。「ヌレエフの性格の知性と強さが、脚本と厳密には同じでない人物を生み出したのです。この人物の方が強く、はるかに頑固一徹です。
原本『Noureev』:
« L'intelligence et la force de caractère de Noureev ont donné naissance, estime Jonathan Benson, à un personnage qui n'est pas exactement celui du scénario : il est plus fort, beaucoup plus entier.

映画「ヴァレンティノ」を主演したヌレエフの評の1つ。

知性と強さはヌレエフのもの

原文におけるベンソンの語りの第1文は、コロンまでの部分のうち、話者ベンソンの説明"estime Jonathan Benson"(ジョナサン・ベンソンは考える)を抜いた次の部分。

L'intelligence et la force de caractère de Noureev ont donné naissance à un personnage qui n'est pas exactement celui du scénario :

この文ではイディオム"donner naissance à ~"(~を生む)が使われている。このイディオムを1つの他動詞だと見なすと、この文を「主語 + 述語 + 目的語」という構文だと見なすことができる。

主語
L'intelligence et la force de caractère de Noureev (ヌレエフの性格の知性と強さ)
述語
ont donné naissance à (生んだ)
目的語
un personnage qui n'est pas exactement celui du scénario (厳密には脚本の人物でない人物)

つまり、「知性と強さ」は映画のヴァレンティノでなく、ヌレエフの特性。

より強くて頑固なのはヌレエフによるヴァレンティノ像

コロンの主な用法の1つは、コロンの前にあることをコロンの後で詳細に説明するというもの。上の原文では次のようになっている。

コロンの前
un personnage qui n'est pas exactement celui du scénario (厳密には脚本の人物でない人物)
コロンの後
il est plus fort, beaucoup plus entier (彼はより強く、はるかに頑固一徹です)

つまり、より強くて頑固なのは、脚本と少し違う人物、つまりヌレエフ演じるヴァレンティノ。新倉真由美の文だと、ヌレエフ自身か、それともヌレエフが生み出したヴァレンティノか、ちょっと分かりにくい。

主な更新

2012/11/20
最後の段落を追記
2014/9/21
構文解釈を詳しく書き直す
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