amourは「愛」、amour-propreは「誇り」

『ヌレエフとの密なる時』P.77:
時の流れは、愛そのものが負った傷の深さを教えてくれた。
Telperion訳:
時は誇りが受けた傷の手当をすることになる。
原本『Temps Liés avec Noureev』:
Le temps pansera les plaies d'amour-propre.

1983年の「ノートルダム・ド・パリ」のニューヨーク公演がもとでローラン・プティがルドルフ・ヌレエフと決裂し、離れることを決意するくだりの締めの文。「amourは「愛」で、propreは「固有のもの」「清潔な」といったいくつかの意味がある。ところが、組み合わさったamour-propreの意味は「自尊心」。

panserは「包帯を巻く、手当をする、ブラシをかける」といった意味で、この場合は傷のケアということになる。

プティはこの本で叙述文を書くとき、直説法半過去の時制を使うことが多い。ある期間にわたる過去の動作を表す時制で、回想録を書くには自然。一方、この文の時制は直説法単純未来。未来のこととして書いた理由は、絶交時点で先のことを書いたせいかも知れないし、当時のプティが考えたことをそのまま書いたせいかも知れない。

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