当初ヴァレンティノを気に入らなかったヌレエフ

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.236:
ヴァレンチノはどちらかと言うと不機嫌そうな人物に感じました。彼は誰からもあやつられるがままで、批評家に侮辱されても言葉を返しませんでした。争いを引き起こしてから自己防御するようになったと感じますが、
Telperion訳:
最初に読んだとき、ヴァレンティノはどちらかというと不愉快な人物に見えました。誰からも操られるがまま、応酬もせずに批評家に侮辱されるがまま。私はこの行うべき戦い、この自己防御に自分がとりわけ関わっていると感じます...
原本『Noureev』:
À la première lecture, Valentino me parut plutôt déplaisant. Il se laissait manœuvrer par n'importe qui et insulter par la critique sans répondre. Je me sentis particulièrement concerné par cette lutte à mener, cette défense de soi-même...

主演映画「ヴァレンティノ」の脚本を初めて読んだときのことを語るヌレエフ。

ヴァレンティノの感情ではなく、ヴァレンティノが他人に感じさせる感情

déplaisantは動詞déplaire(~を不快にする)の現在分詞で、意味は「人を不快にさせる」、つまり「気に入らない、嫌な」。自分が不機嫌なのではなく、人を不機嫌にさせる。

自己防御するのはヌレエフ

第3文に出る代名動詞"se sentir ~"は「自分が~だと感じる」なので、話し手ヌレエフが自身について語っている。自身が戦い続けてきたヌレエフは、受け身のヴァレンティノを快く思わないということ。

争いの後で防御したのではない

「この戦い」(cette lutte)と「この防御」(cette défense)は単に並んでいるだけで、後者のほうが後に起こったとか、前者が後者の原因とかいう含みは感じない。

主な更新

2013/1/20
発言の背景について加筆
2014/1/20
小見出しを追加
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