fruste(粗野な)とfrustré(欲求不満の)

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.52:
彼らはすぐにルドルフがいつもイライラしていることに気づいた。
Telperion訳:
彼らはじきにルドルフの態度がいつもこんなに粗野であることに気づいた。
原本『Noureev』:
Ils se rendent vite compte que Rudolf est toujours aussi fruste dans ses manières.

ワガノワでヌレエフと同室になった生徒たちの感想。

frusteは「粗野な、粗削りの」といった意味。人の性格についていうなら、「粗野、ぶっきらぼう、無愛想」といったところだろうか。実際、第6章でもfrusteという言葉はヌレエフ評で出てくるが、これを新倉真由美は「粗野で武骨で」(訳本P.108)と訳している。「イライラしている」はfrusteの訳語としては合わない。似たスペルのfrustré(失望した、欲求不満の)との混同ではないかと疑っている。

比較的たあいのない間違いではある。しかし新倉真由美は怒っているヌレエフを何度も創作しており(記事「新倉真由美訳が招くヌレエフの誤解(2) - 怒ってばかり」を参照)、これもその一環に見える。

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