マスコミは嬉々としてタイトルをつける

『ヌレエフ』P.169-170:
ジャーナリストたちはタイトルをつけるのに苦心した。“悪魔のような…凄まじい…気まぐれな…粗野な…無礼な…かっとなりやすい…”」
Telperion訳:
マスコミは見出しを付けるのに有利な立場に立った。「凄まじい…気まぐれな…無作法な…横柄な…怒りっぽい…」
原本『Noureev』:
La presse a beau jeu de titrer : « Infernal... Capricieux... Grossier... Insolent... Coléreux... »

ヌレエフが次々に起こす騒動をマスコミが報道する様子。新倉真由美の文では当時の記事の引用に見えるが、本当は原著者メイエ=スタブレー(Meyer-Stabley)による描写

「苦心する」でなく「有利になる」

"avoir beau jeu de ~(不定詞)"は「~するのに有利な立場にある」というイディオム。メイエ=スタブレーはよそでマリア・カラスを引き合いに出して、ヌレエフが起こす騒動がマスコミの需要にかなっていたことをにおわせている。ここでも、ヌレエフの大暴れをセンセーショナルに報道するマスコミの喜々とした様子が想像できる書き方をしている。

形容詞の数が1つ増える

見出しの例である形容詞は、原文では5つ、訳本では6つ。多分最初のInfernalを「悪魔のような」「凄まじい」と二重に訳している。間違いというほどのことでもないが、この部分は別人の文にされたり、イタリアのトリエステが人名にされたり、新倉真由美が原文を飛ばし読みしている感じが強いので、あえて取り上げる。

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