伝記『ヌレエフ』の翻訳の検討

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)と『ヌレエフとの密なる時』(ローラン・プティ著、新倉真由美訳、新風舎)の誤訳と改変。『バッキンガム宮殿の日常生活』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)の一部も対象

イギリスの女王でなく皇太后

『ヌレエフ』P.145:
女王陛下
Meyer-Stabley原本:
la reine mère
Telperion訳:
皇太后

1963年にフォンテーンとヌレエフのパートナーシップを象徴する「マルグリットとアルマン」の初演を鑑賞した王族の1人。

原文の"la reine mère"は"The Queen Mother"のフランス語訳。"The Queen Mother"とはイギリス女王エリザベス2世の母エリザベスのことで、日本ではエリザベス皇太后と呼ぶことが多いらしい。娘である女王と区別するために"The Queen Mother"と呼んでいるのだから、女王と同じ呼称で呼ぶことはありえない。

エリザベス皇太后がこの公演に足を運んだことは、ルドルフ・ヌレエフ財団サイトの「マルグリットとアルマン」説明ページにも、『Nureyev: His Life』(Diane Solway著)にも、『Nureyev: The Life』(Julie Kavanagh著)にも書いてある。Solway本によると、皇太后は1962年のフォンテーンとヌレエフの初「ジゼル」も見たという。

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール

Telperion

Author:Telperion
バレエへの関心が芽生えたのは2011年1月。その翌月に読んだ『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』は、そんな新参の私から見ても、間違いや意味不明な記述が多すぎました。その原因のほとんどが翻訳のひどさだと気づいたことからブログ開設を思い立ち、今は同じ訳者による邦訳本3冊を取り上げています。詳しくはこのブログでしたいこと 第3版をご覧ください。
フランス語の学習を始めたのは『ヌレエフ』に出会う少し前。まだまだ知識は浅く、至らぬところもあるでしょう。お気づきのことはぜひ知らせてください。リンクはご自由に。

カテゴリ
タグ

マーゴ・フォンテーン エリック・ブルーン ノートルダム・ド・パリ パトリック・デュポン マリア・トールチーフ ミック・ジャガー 

最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
全記事表示リンク

全ての記事を表示する

検索フォーム