フォンテーンの鼻

『ヌレエフ』P.142:
彼女は結婚前、直感を働かせ、だまされているのではないかと注意を払った。
Telperion訳:
彼女は結婚前、鼻の整形に注意を払った。
原本『Noureev』:
Elles a pris soin de se faire refaire le nez avant le mariage.

"se faire A(他動詞) B(他動詞の目的語)"とは、「BをAさせる、してもらう」という意味で、使役の表現の一種。Aにあたるrefaireには「やり直す」「元通りにする」などさまざまな意味があるが、Bにあたるのが"le nez"(鼻)なので、それに合いそうな意味は「直す」ではないかと思う。

refaireには「~をだます」という意味もある。しかしその場合の目的語はだまされる人なので、鼻が目的語になっている上の文に当てはめることはできない。

別な資料での言及

フォンテーンが鼻の整形手術を受けたことがあるのは事実らしく、Telegraph紙のローラン・プティ訃報記事にはこんな一文がある。

原文:
Fonteyn had cosmetic surgery to shorten her nose at his suggestion (though the operation was redone in London).
Telperion訳:
フォンテーンはプティの提案で鼻を低くする整形手術を受けたことがあった(しかし手術はロンドンで再び行われた)。

Meredith Daneman著の伝記『Margot Fonteyn』でも触れられているらしい(英国amazonで「なか見!検索」してみた)。もっとも、フォンテーンの再整形と結婚の間に関連があるかは分からない。

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コメント

引き続き読ませていただいております。

私の仏語の能力はきわめて低いので頻繁に検索に頼っています。
それで refaire le nez で画像検索したところ、笑ってしまうくらいに avant/après の比較写真ばかり出てきました。
これはもう間違いなく「鼻を整形する」ですよね。

些事ながらお役に立てばと。
 
2014-07-10 23:02  Tyurico  編集

Re: タイトルなし

"se faire + 他動詞 + 他動詞の目的語"という表現が使われるのはあまり見かけていないため、「この解釈でいいと思うけれど…」という微妙なためらいがありました。英語だと"I had my hair cut"(私は髪を切ってもらった)に当たりますが、これも私は学習当時に何となく苦手意識がありましたっけ。だからご確認いただいて助かりました。ありがとうございます。

画像検索の結果には確かに笑えました。見る人が見れば、分かりやすいパーツなんでしょう。
2014-07-12 09:33  Telperion  編集
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