母の応援は積極的ではない

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.31:
ルドルフはいつも父に嘘をつかねばならなかった。しかし母親は愛情深く、こっそりバレエのレッスンやリハーサルを受けるため買い物に行くなど口実を作ってくれた。
Telperion訳:
このため、ルドルフは訓練を続けるために、母から愛情こめて黙認してもらい、父にいつも嘘をつかねばならなかった。彼はこっそり踊りの稽古やレッスンに出かける口実をでっちあげた。時おり、母の代わりに買い物に行こうと申し出た。
原本『Noureev』:
Rudolf doit donc constamment mentir à son père, avec la complicité affectueuse de sa mère, pour continuer sa formation. Il invente des subterfuges pour se rendre en cachette à des répétitions et à des leçons de danse. Parfois, il propose d'aller faire des courses à la place de sa mère.

幼いころ、息子のバレエに反対する父の目を盗んで稽古に出かけていたヌレエフ。

出かける口実を作ったのはil(彼)、つまりヌレエフ。母なら代名詞はelle(彼女)になるはず。母は息子が出かける目的を察しながら妨害しなかったのにとどまっている。

新倉本には、少年ヌレエフのバレエへの傾倒について、他に次の文がある。

  • ただひとり本当に彼を支えてくれたのは、姉のローザだった(P.28)
  • 両親は彼のバレエへの執着が恐ろしく感じられ(P.33)

母は父ほど頭ごなしにヌレエフに反対しなかったとはいえ、全面的な味方というわけでもなさそう。同じ印象は伝記『Nureyev: His Life』(Diane Solway著)や『Nureyev: The Life』(Julie Kavanagh著)からも受ける。

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