目覚しいチームワークが今一つな人間関係に

『ヌレエフ』P.265:ヌレエフは団員たちとも打ち解けていたのだろうか。「フランスのダンサーたちは実に個性的です」牽引しながら彼は実感していた。“ジゼル”は数え切れないほど踊ってきたが、団員たちと会話を交わしたことは一度もなかった。 Telperion訳:チームワークの中で花開いたヌレエフだろうか。「フランスのダンサーは本当に気骨がある」。率いながら彼は悟った。かつて「ジゼル」で千回以上踊りながら、決して会話を交わ...
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ヌレエフの毒舌にプティが動揺したとは限らない

『密なる時』P.41:彼はそれを使うことを好んでいたが、それは恐怖感やショックを与え、私を情緒不安定にさせた。 プティ原本:qui font peur, et il aime ça, choquer et rendre son interlocuteur instable. Telperion訳:おかげで相手は怖がり、ショックを受け、不安定になったし、彼はそれを気に入っていた。 ヌレエフの話し言葉について述べた長文の最後。この部分は、ヌレエフが多用する攻撃的なアメリカ英語について説明...
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真っ赤になったわけではなさそうなプティ

『密なる時』P.32:この奇想天外な説明に私は赤面し、それが少しどころではなかったことは神様がご存知だろう。 プティ原本:Suivirent des explications rocambolesques qui me firent monter le rose aux joues, et Dieu sait s'il en faut plus qu'un peu pour me faire rougir. Telperion訳:途方もない説明が続いたために私の頬はピンク色が差し、私を赤面させるために必要なことが少しですむかどうかは神のみぞ知る。 初めて...
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最後となったガルニエ宮からの退出

『ヌレエフ』P.307:棺は再びダンサーたちによって持ち上げられ、最後にガルニエ宮の入口まで達した。 Telperion訳:棺は再びダンサーたちに運ばれ、これを最後にガルニエ宮の敷居を越えた。 原本『Noureev』:Le cercueil, de nouveau porté par les danseurs, franchit pour la dernière fois le seuil du Palais Garnier. ガルニエ宮での葬儀が終わった後、埋葬のために墓地に向かうところ。 永遠の別離への感傷を呼び起こ...
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未完のフーガはヌレエフの人生を象徴するのか

先日は「フーガの技法」のContrapunctus 14自体について結構語ったので、今日はもう少しヌレエフを絡めます。 選曲者の心境 葬儀で演奏される曲を選んだのが誰か、Solway本やKavanagh本を丁寧に読めば見つかるのかも知れませんが、今のところ私は知りません。しかしヌレエフは自分の埋葬場所を手配しておいたのだし、葬儀で朗読された詩もニューヨークタイムズ紙の記事によると"reportedly chosen by Nureyev"(聞くところではヌ...
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葬儀で演奏された未完のフーガ

1993年1月12日、ガルニエ宮でヌレエフの葬儀が執り行われたのでした。そこで21年後の今日は翻訳の話から離れ、葬儀で演奏されたバッハのフーガについて語りたくなりました。 私が語りたい曲は、バッハの死後に曲集「フーガの技法」の1曲として出版されました。この曲集は未完のため、曲の順番や呼び名は確定していません。問題の曲はContrapunctus 14と呼ばれることが多いので(contrapunctusは恐らく対位法を意味するラテン語)、...
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奇妙なのはレセプションで主役が気づかれないこと

『ヌレエフ』P.168:ルドルフは化粧を落として一人で現れ、喧騒を興味深く眺めていましたが、彼に気づく人はいませんでした。 Telperion訳:ルドルフはメイクを落として一人で来て、不思議なことに大騒ぎの中で誰も彼に気づかなかった。 原本『Noureev』:Rudolf était arrivé seul, démaquillé, et curieusement dans le tohu-bohu personne ne l'avait remarqué. ヌレエフが公演後のレセプションに来たときのこと。語り手のMar...
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新年のごあいさつ 2014

ブログ開設後2回目の新年を迎えました。明けましておめでとうございます。このブログに目を通してくれた皆様もよい年になりますように。 『ヌレエフとの密なる時』の原文比較に取り掛かったばかりで大忙しのまま年を超えた1年前と比べれば、今では書きたいことをかなり書きました。でもまだやりとげたという充実感はなく、まだ書ききれていないという不完全燃焼な気持ちです。今の課題を列挙してみます。 確証不足な個所を確定し...
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