亡命前のヌレエフがCIAに連絡できるとは思えない

『ヌレエフ』P.107:ソヴィエト当局の調査書類は、ヌレエフは西側への移住の意志を持ち、クララ・サンをアメリカ人が操作しているCIAの側近にしていた明白な事実があったとしている。 Telperion訳:ソ連当局の書類は、ヌレエフに西側へ渡る意志があったことを明らかにしているが、なかでも、クララ・サンをアメリカ人に操られたCIAの関係者だと思わせている。 原本『Noureev』:Le dossier de l'agence soviétique met en évidence ...
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ラコットがヌレエフに付き添うことの長所と短所

『ヌレエフ』P.95:ルドルフと一緒にいる限りトランジットまで行くことはできないだろう。 Telperion訳:ルドルフと共にいる限り、彼がトランジットに連れて行かれることはない。しかし彼と共にいながらでは、何も企てることができない。 原本『Noureev』:Tant qu'il restera avec Rudolf, ils ne l'emmèneront pas en transit. Mais en restant avec lui il ne peut rien tenter. ヌレエフがソ連に送還されようとしている現場...
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トランジット行きは救済ではなく破滅

『ヌレエフ』P.95:ルドルフをトランジットまで連れて行かなくてはならない。そこは中立のゾーンで、彼に対し誰も何もできなくなるからだ。 Telperion訳:ルドルフをトランジットに連れて行かれてはならない。そこでは彼は中立地帯にいて、もう彼のために誰も何もすることができないのだから。 原本『Noureev』:Il ne faut pas qu'ils emmènent Rudolf en transit : là, il serait en zone neutre et personne ne pourrait plus ri...
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イヨネスコはバレエ関係者でなく劇作家

『ヌレエフ』P.292:また「ヌレエフ後援会」の後押しで、イヨネスコ、ショヴレ、ドミンゴ等数多くの芸術家たちによる請願書がブレジネフ首相のもとに送らせた(原文ママ)。 Telperion訳:「ヌレエフ後援委員会」の旗振りで別の嘆願書がレオニード・ブレジネフに送られた。この嘆願書は、フランスではウジェーヌ・イヨネスコ、クロード・ロワ、イヴェット・ショヴィレ、シュザンヌ・フロン、ピエール・ブーレーズ、レスリー・キャロン...
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同行者が訪問先を間違える?

『密なる時』P.85:彼は家族との再会や子供時代を過ごしたキーロフ劇場の訪問に深く感動したとのことだった。 プティ原本:Il est très ému de retrouver sa famille, de revoir le Kirov, le théâtre de son enfance. Telperion訳:彼は家族と再会し、少年時代の劇場であるキーロフを再訪して、とても心を動かされた。 1987年にヌレエフがソ連に家族に会うために一時帰国したとき同行したロッシュ=オリヴィエ・メーストルから...
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「バレリーナへの道」の新倉真由美コラム - 振付への視線

文園社のヌレエフ特集を読んでからたまっているものを、もう少し吐き出さないとすっきりしそうにありません。前回からだいぶ経ちましたが、続けます。 ヌレエフの言葉に共感するそぶりと現実 新倉真由美のコラム「ルドルフ・ヌレエフの生涯」を読んでいて、「同じことを『ヌレエフ』訳者あとがきでも書いていたっけ」と思い出した個所は他にもあります。 ヌレエフは自分の振付作品が上演される限り、その中で生き続けると語って...
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10倍違う署名数

『ヌレエフ』P.292:一九七三年世界各国一万名以上の署名入りの嘆願書が作成されたが、なんの返答も得られなかった。 Telperion訳:世界中で集められた10万以上の署名をまとめた嘆願書が1973年に作成されるが、何の返答も得られないことになる。 原本『Noureev』:Une pétition réunissant plus de cent mille signatures recueillies dans le monde entier sera rédigée en 1973 mais n'obtiendra aucune réponse. ソ連に残った...
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強大なのは省でなく大臣

『ヌレエフ』P.77:強大な権力を持つ文化省同様、マスメディアで力を発揮していたのはエカテリーナ・フルツエヴァだった。 Telperion訳:全能の文化大臣であると同様、エカテリーナ・フルツェワはメディアに露出していた。 原本『Noureev』: Tout comme la toute-puissante ministre de la Culture, la médiatique Ekaterina Fourtseva. ヌレエフがキーロフ・バレエの欧米ツアーに加わった当時のソ連当局について。 ministreは...
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新倉本『ヌレエフ』の固有名詞ミス

訳本『ヌレエフ』にある耳慣れない名前が日本語でほとんど話題にならない人や物なのか、それとも誤植のせいで生まれた架空の名前なのか、訳本を読むだけでは区別が難しい。原本にある固有名詞ミスと対比させる意味でも、訳本独自の固有名詞ミスを列挙してみたいと前から思っていた。 ただ、原語に対する日本語表記は一つとは限らず、許容できる表記かどうかの線引きはなかなか難しい。私自身、ネットで最も見かけるのとは違う表記...
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パトリック・デュポンはパリ・オペラ座の外に出た

『ヌレエフ』P.277:パトリック・デュポンは八六年以降彼を閉め出そうとしていたし、 Telperion訳:パトリック・デュポンは1986年以降、足音高く飛び出すほうを好み、 原本『Noureev』:Patrick Dupond a préféré claquer la porte dès 1986 ヌレエフがパリ・オペラ座監督だった時期の後期、オペラ座ダンサーとの関係が悪化した例として挙げたこと。もっとも、デュポンの自伝の訳本『パリエトワール』(林修訳、新書館)や下でリ...
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