談話の語り手も範囲も間違い

『ヌレエフ』P.169:その野性的で野良犬のような性格は頻繁に紙面をにぎわせた。 Telperion訳:あるダンサーは、彼の人物の野性的で飼いならされない面を覚えている。 原本『Noureev』: Un danseur se souvient du côté sauvage et indompté du personnage : P.169から170にかけての「彼は怒り狂ってバレエシューズを放り投げ」で始まり、かぎ括弧で囲まれた長い談話の前置き。この前置きのせいで、談話は一見、当時の記事の引...
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喧嘩の相手をひっかく男?

『ヌレエフ』P.211:パートナーを爪でひっかいたとか、 Telperion訳:パートナーが平手打ちされたとか、 原本『Noureev』:Une partenaire giflée, 動詞giflerは「平手打ちする」で、「ひっかく」という意味はない。実際、喧嘩で相手をひっかくのは女性の行動パターンに思え、男性であるヌレエフの行為としては違和感がないでもない。 その他の例 同様の例なので原文と私の訳は省略するが、以下の個所でも、giflerが「ひっかく...
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ロゼラ・ハイタワーに対して謙虚なヌレエフ

『ヌレエフ』P.115:既に国際的なスターでしたが、臆せず堂々と私の特徴的なテクニックを吸収していきました。自分のスタイルを改善していこうと努めていたのだのでしょう(原文ママ)。 Meyer-Stabley原本:Elle, une vedette internationale, n'avait jamais honte d'apprendre, d'assimiler certaines particularités de ma technique qu'elle estimait susceptible d'améliorer peut-être son propre style. Telperion訳:私のテ...
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記者をからかうヌレエフに好意的な原著者

『ヌレエフ』P.164:しかし記者はルドルフの花形スターぶりをクローズアップしようとするあまり、子どもじみた一面には注意を払わなかった。看板ダンサーとしての性格は確かに気まぐれであった。 Telperion訳:しかし、マスコミはこの気が変わりやすい好人物の面を忘れ、ルドルフの「スター」の面だけをとらえた。その性格は確かに気まぐれだった。 原本『Noureev』:Pourtant, la presse oublie ce côté bon enfant instable pour ...
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de plus belleの意味はplus belle(より美しい)と無関係

『ヌレエフ』P.141:拍手喝采が彼女をより一層美しくしていました。 Telperion訳:ひときわ高まった喝采がまた始まりました。 原本『Noureev』: Les acclamations reprirent de plus belle. 1962年2月21日、フォンテーンとヌレエフが「ジゼル」で初共演を果たした後、いつまでも続くカーテンコールの情景。 「より一層美しく」でなく「いっそう激しく」 "de plus belle"は「いっそう激しく、前よりひどく」というイディオム。...
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必ずしも人格者でないエリック・ブルーン

『ヌレエフ』P.183: 私が知っているエリックは厳格な人でした。 Telperion訳:1970年代の初めにエリックを知ったとき、彼は辛辣な人でした。 原本『Noureev』:Erik était un homme amer quand je l'ai connu au début des années 1970. 往年のダンサー、ソニア・アロワが語るエリック・ブルーン。 当時のブルーンには攻撃性があった amerの意味としては、次のものが挙げられる。いずれも、自らが苦い思いをするのでなく、周...
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ベジャールはヌレエフに打診しなかったのか

『ヌレエフ』P.260:彼にとり二人のエトワール指名は寝耳に水だった。 ヴュ=アンとルグリのエトワール任命をめぐるヌレエフとベジャールの紛争の記述より。ところが、この文に相当する原文は、訳本に相当する場所にもその近くにも見当たらない。同じ段落に「エトワール任命を事前にヌレエフに打診したというのがベジャールの主張」と書かれているが、訳本でのみ、ベジャールの主張を嘘と断じていることになる。 訳本『ヌレエフ...
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原著者にとってヌレエフとデュポンの共演は異例

『ヌレエフ』P.286:ヌレエフとデュポンは赤いタイツを履き手に手を取って踊った。その光景が象徴するようにデュポンがヌレエフを継いで芸術監督になるだろうと思われた。 Telperion訳:和解し、赤いタイツを履き、手に手を取って共に踊るヌレエフとデュポン。デュポンがヌレエフの芸術監督の地位を継ぐことになるだけに、その舞台はなおさら現実離れしていた。 原本『Noureev』:Noureev et Dupond réconciliés, en collant rouge,...
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ハリウッドにとってヴァレンティノに利用価値はあった

『ヌレエフ』P.232:ハリウッドから見放された Meyer-Stabley原本:exploité par Hollywood Telperion訳:ハリウッドに搾取された 映画「ヴァレンティノ」の監督ケン・ラッセルによるルドルフ・ヴァレンティノ像。exploiterの意味は「開発する」「活用する」「搾取する」などで、映画会社ともめて干されたこともあるヴァレンティノには「搾取する」がもっとも合う。人気が衰える前に死亡しており、死去する年まで映画が作られて...
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人が入る大きさのドレッサー?

『ヌレエフ』P.208:仕返しにリッツの彼の部屋のドレッサーの中に一晩中私を閉じ込めたのです! Meyer-Stabley原本:qu'il m'enferma dans le placard de sa suite au Ritz toute la nuit en guise de représailles! Telperion訳:仕返しの代わりに一晩中リッツのスイートのクロゼットに私を閉じ込めたのです! 前置き この部分はもともと「三日月クラシック」の管理人ミナモトさんが記事「Don't stop me now/フレディとヌレエ...
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