伝記『ヌレエフ』の翻訳の検討

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』(ベルトラン・メイエ=スタブレ著、新倉真由美訳、文園社)と『ヌレエフとの密なる時』(ローラン・プティ著、新倉真由美訳、新風舎)の誤訳と改変。『バッキンガム宮殿の日常生活』(ベルトラン・メイエ=スタブレ著、新倉真由美訳、文園社)の一部も対象

TOP > ヌレエフとパリ・オペラ座

提案に耳を貸すそぶりだったヌレエフ

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.290:これが報道されたとき、ある若きエトワールはヌレエフにこう示唆した。「彼は感じは良いがなんの経験もありません。カドリーユとして入団し、本当に上達すれば四年以内にはエトワールになれるでしょう」 Telperion訳:そして、当時オペラ座のある女性エトワールがほのめかしたことがヌレエフの耳に入った。「彼は感じが良いですが、何の経験もありません。単なるカドリーユとしてバ...

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異論を唱えるのでなく唱えられるヌレエフ

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.290:服従すべき立場であったが芸術上の選択に関しては反対意見も申し立てられる彼は、ベルジェのもとに急いだ。 Telperion訳:異論の対象にはならないが、その芸術上の選択には異議の余地があることが多い彼は、ベルジェと対立した。 原本『Noureev』:Incontesté, mais souvent contestable dans ses choix artistiques, il se heurte à Bergé. パリ・オペラ座を統括することになっ...

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目覚しいチームワークが今一つな人間関係に

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.265:ヌレエフは団員たちとも打ち解けていたのだろうか。「フランスのダンサーたちは実に個性的です」牽引しながら彼は実感していた。“ジゼル”は数え切れないほど踊ってきたが、団員たちと会話を交わしたことは一度もなかった。 Telperion訳:チームワークの中で花開いたヌレエフだろうか。「フランスのダンサーは本当に気骨がある」。率いながら彼は悟った。かつて「ジゼル」で千回以上...

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最後となったガルニエ宮からの退出

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.307:棺は再びダンサーたちによって持ち上げられ、最後にガルニエ宮の入口まで達した。 Telperion訳:棺は再びダンサーたちに運ばれ、これを最後にガルニエ宮の敷居を越えた。 原本『Noureev』:Le cercueil, de nouveau porté par les danseurs, franchit pour la dernière fois le seuil du Palais Garnier. ガルニエ宮での葬儀が終わった後、埋葬のために墓地に向かうところ。 永...

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パトリック・デュポンはパリ・オペラ座の外に出た

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.277:パトリック・デュポンは八六年以降彼を閉め出そうとしていたし、 Telperion訳:パトリック・デュポンは1986年以降、足音高く飛び出すほうを好み、 原本『Noureev』:Patrick Dupond a préféré claquer la porte dès 1986 ヌレエフがパリ・オペラ座監督だった時期の後期、オペラ座ダンサーとの関係が悪化した例として挙げたこと。もっとも、デュポンの自伝の訳本『パリエトワール...

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主題はダンサーたちの反発心

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.257:ダンサーたちはますます苦境に陥っていくように見えた。彼らは体操選手でしかないことを不満に思い、シリル・アタナソフなどエトワールたちは最小限の役しかもらえず、海外でも活躍できないと嘆いていた。 Telperion訳:ダンサーたちはますます辛辣になるようだった。彼らは体操選手でしかないと不満を訴えた。シリル・アタナソフなど、パリのちっぽけな役目のせいで国外で力の限り...

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ヌレエフは妥協案も含めて撤回した

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.290:私はケネス・グレーヴをエトワールとしても規定通り三年間は契約しません。 Telperion訳:ケネス・グレーヴェをエトワールとして雇うことも、取り決めたように3年間雇うこともしません。 原本『Noureev』:Je n'engagerai pas Kenneth Greve comme étoile ni pour trois ans comme c'était convenu. ヌレエフが無名の若手ダンサーをいきなりエトワールにしようとしたものの、ダン...

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初日を踊るのは第一線で踊るより重い

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.255:芸術監督であり振付家、運営者、教師でもあったルドルフが第一線で踊りたいと言い出したときだった。 Telperion訳:すでに芸術監督、振付家、管理人、そして教師だったルドルフが、すべての初日も踊りたいと心に決めたときだった。 原本『Noureev』:lorsque Rudolf, déjà directeur artistique, chorégraphe, administrateur et eiseignant, se met en tête de vouloir danser auss...

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ダンサーとしての成功から監督としての成功へ

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.265:ヌレエフに一体何があったのだろう? 予想を上回る成功が、彼の別の一面を引き出したのかもしれない。芸術監督としての仕事は熱狂的に評価されパリ・オペラ座バレエ団は魔法のような大勝利を収めた。 Telperion訳:ならばヌレエフに何が起こったのか? 何があったのか? そう、さらなる成功ではあるが、異なる性質のものだ。監督の仕事が熱狂的に認められ、パリ・オペラ座バレエが見...

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内部糾弾者に対する原著者の視線は冷たい

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.279:マスコミは話をいちいち増長したが、ヌレエフにはメディア的に名誉を回復して応戦する時間も意欲もなかった。彼は言い放った。「私はパリでは愛されていないのです」 Telperion訳:もちろん、マスコミはこのような背信行為のすべてを反響させる役目を果たしたが、ヌレエフにはメディア面で再興して応酬する時間も意欲もなかった。彼はかろうじて漏らした。「私はパリでは好かれてい...

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