伝記『ヌレエフ』の翻訳の検討

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』(ベルトラン・メイエ=スタブレ著、新倉真由美訳、文園社)と『ヌレエフとの密なる時』(ローラン・プティ著、新倉真由美訳、新風舎)の誤訳と改変。『バッキンガム宮殿の日常生活』(ベルトラン・メイエ=スタブレ著、新倉真由美訳、文園社)の一部も対象

TOP > ダンサーとしての評価

自分への絶賛を一人による発言だと明記する節度

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.85:初日を観たフランスの批評家たちは大挙して劇場に舞い戻って来ました。団員の一人がスプートニクにも値する出来栄えだったからです」 Telperion訳:初日に出席したフランスの批評家は全員大挙してまた現れ、このとき批評家の1人が私をスプートニクと呼んだ」 原本『Noureev』:Les critiques français qui assistaient à la première étaient tous revenues en force et c'est alors ...

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ヌレエフの寄与を惜しみなく認めるフォンテーン

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.209:彼はなすべきすべてをしているように見えました。 Telperion訳:すべてを彼に負っているという印象です。 原本『Noureev』:J'ai l'impression de tout lui devoir. 踊りのパートナーとしてのヌレエフについて語るフォンテーン。「彼は私が望むように踊らせる、私自身の最大限を与える」といったことを語った後に続く。 構文解析は単純 直訳は「私はすべてを彼に負うという印象...

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半分恋するのは踊りのため

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.144:彼女はコレット・クラークに「まるでルドルフに恋しているみたい」と打ち明けている。 Telperion訳:彼女はコレット・クラークに打ち明けてすらいる。ルドルフと踊るには、そうするのと同じように「彼に半分恋する」ことが必要だと。 原本『Noureev』:Elle confie même à Colette Clark qu'il faut qu'elle soit « à moitié amoureuse de Rudolf » pour danser avec lui aussi bien...

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亡命後すぐスーパースターになったのではない

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.120:彼はスーパースター、ヌレエフにいくつかの特徴を見出した。「彼はその肉体、顔、尊大さ、優雅さに特徴があり、的確に演じる術(すべ)を心得ていました」 Telperion訳:デザイナーの導き手はルドルフの「スーパースター」らしさを認めることになる。「彼にはそういう容姿、顔、傲慢さ、優雅さがあり、それを的確に操ることができました」 原本『Noureev』:Le mentor du couturier re...

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舞台のヌレエフの特徴である風格

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.221:彼のキープ力は誇るべきもので、格調高くダイナミックなマイムや動き、優雅なポールドブラやゆったりした動きなどがヌレエフの特徴だった。 Telperion訳:物腰の物憂げな誇らしさ、皇帝のような身振りと軌跡の豊かさ、そしてポール・ド・ブラと遅い動作の優雅さがヌレエフの特徴である。 原本『Noureev』:L'indolente fierté de son maintien, l'ampleur impériale des gestes et d...

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ヌレエフの偶像でなく観客の偶像

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.295:観衆は彼の偶像に最後になるであろう喝采を惜しみなく贈った。 Telperion訳:観客は自分たちのアイドルに恐らく最後の喝采を浴びせに来た。 原本『Noureev』:Le public vient ovationner pour la dernière fois peut-être son idole. idole(アイドル、偶像)に付いている所有代名詞sonは、「彼の」という意味のこともよくあるが、厳密には「単数の三人称代名詞で表される人または...

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予期できたグループ公演の大当たり

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.196:「わが友ヌレエフは連夜興行的大成功を収め、大勢の観客で埋め尽くされるという予期せぬ大当たりの余韻を引きずっていたのだと思います。 Telperion訳:「わが友ヌレエフは実りある公演を企画し、こうして毎晩大いに望みをかなえる大当たりを叩き出したと思う。 原本『Noureev』:il croyait que son « ami Noureev s'organisait des soirées fructueuses, faisant ainsi tinter le ...

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喝采されるヌレエフからほの見えた尊大さ

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.220:妙技の羅列のみならずクラシックバレエの卓越した技巧を披露した彼は、瞳に微笑みをたたえ“皆さんアンコールをお望みですか?”とでも言いたげだった。 Telperion訳:名人芸のレッスンだが、同じように古典バレエの自制のレッスンでもあり、目と微笑みの中に、王者らしくもあり神のようでもある名状しがたいものがのぞいており、こう言っているかのようだった。「哀れな人間たちよ、...

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技巧があるダンサーを賢者と称えるのはまれ

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.84:まるで花火のように完璧な跳躍と回転をこなす賢者。 Telperion訳:花火、跳躍や旋回の巧みな申し分なさ。 原本『Noureev』:Feu d'artifice, savantes perfections des élévations ou des girations. パリでデビューしたヌレエフが受けた熱烈な賞賛の一つで、筆者はFrançois Guillot de Rode。 savantの意味は大きく分けると2つ。 形容詞「博学な、学問の、巧みな」 名詞「学...

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ヌレエフの官能性が当時のバレエに波及したとは限らない

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.148:一九六〇年代、彼はクラシックバレエをエロティシズムを表現する真に大衆的な現象として積極的に変化させた。 Telperion訳:1960年代に古典バレエを真の大衆的な現象に変えることになる男は、積極的に官能性に賭けた。 原本『Noureev』:Celui qui, dans les années 1960, va transformer la danse classique en un véritable phénomène populaire joue volontiers sur la sensualit...

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