伝記『ヌレエフ』の翻訳の検討

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』(ベルトラン・メイエ=スタブレ著、新倉真由美訳、文園社)と『ヌレエフとの密なる時』(ローラン・プティ著、新倉真由美訳、新風舎)の誤訳と改変。『バッキンガム宮殿の日常生活』(ベルトラン・メイエ=スタブレ著、新倉真由美訳、文園社)の一部も対象

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関係悪化の原因として語られるのはブルーンの感情のみ

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.151:ルドルフはすっかり有名人になってしまった自分の周辺で、エリックがあまり注目を浴びなくなるのを気の毒に思っていた。 Telperion訳:その上、ロシア人があまりに有名人になったため、自分の周りでの関心のほうが低いと感じるのは、エリックにとってつらいことだった。 原本『Noureev』:De plus, le Russe est devenu une telle célébrité qu'il est pénible pour Erik de sentir ...

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トールチーフとブルーンがかつての恋人だという示唆

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.127-128:彼女は周知のとおりバイ・セクシュアルなエリックがタタール人に惹かれ、彼女のロマンスが終わってしまうかもしれないと思ったが、自分が紹介したダンサーを二人とも失うとは想像していなかった。 Telperion訳:自分のデンマークのロマンスに終止符が打たれたこと、周知のバイセクシャルであるエリックがタタール人に魅了される以外にないことは知っていても、2人のダンサーを互...

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テネシー・ウィリアムズの言葉が事実とは限らない

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.204:アンディ・ウォーホルが催したパーティでルドルフと出会ったテネシー・ウィリアムスは一夜を共にした。 Telperion訳:アンディ・ウォーホルが東47番街のスタジオで企画したパーティでルドルフと出会うテネシー・ウィリアムズは、この人物にあまりに誘惑されたため、一夜を共にしたとまで自慢することになる。 原本『Noureev』:Tennesse Williams qui rencontrera Rudolf lors d'une...

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マッチョ好き説よりセレブ好き説を支持する原著者

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.178:相手を物色するときに美学的な基準はなく、筋骨隆々の恋人たちを好んでいた。著名人に惹かれた一面を指摘する人もいる。彼の“征服した人びと”のリストにはキラ星のごとく輝かしい名前が連ねられている。 Telperion訳:「美しさは彼が性的な生活で求めた要素ではありませんでした。際立った美的基準はなく、筋肉質でたくましい恋人が好きでした」と友人の一人は語る。 それに反して...

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好きな相手と残ったのは意図的

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.166:帰り道、高地にある別荘に戻るため一群は道をよじ登っていました。ルドルフは夢中だったので、狙いをつけた少年と共に暗闇の中に取り残されてしまったのです。 Telperion訳:帰り道、一行が高い場所にある別荘に戻り、何百歩もよじ登った一方、ルドルフは桟橋にとどまりました。恐らく、欲しくてたまらない若者とともに暗闇の中に長居することを考えたのでしょう。 原本『Noureev』...

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いちゃついたのは一晩中でなくパーティの間

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.166:ルドルフは一晩中招待客の一人と人目も憚らずいちゃついていました。 Telperion訳:しかしパーティの間中、ルドルフは客の1人と大っぴらにいちゃついていました。 原本『Noureev』:Mais toute la soirée Rudolf flirta ouvertement avec un invité. フランコ・ゼッフィレッリがヌレエフを含めた招待客の夕食をレストランで手配したときの目撃談。 「夜」でなく「パーティ」と解...

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性欲を持て余したとは限らない

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.186:常に肉体的な高揚感にブレーキをかけられず、その捕え難さに魅せられていたヌレエフは、すべてを放蕩に使い果たして性欲から健康を害し、燃え上がるような生命に許された時間は僅かと知りながら放埓な生活をやめられなかった。 Telperion訳:捕えられないものに常に引きつけられ、肉欲の勢いを決して抑制しようとせず、ヌレエフは放埓に過ごすのをやめず、先祖の官能すべてを放蕩に...

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ヌレエフはリー・ラジウィルの誘惑に受け身

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.248:リーはこのロシア人を必死で誘惑しついに身を任せました。 Telperion訳: リーはあらゆる手を尽くしてロシア人を誘惑し、彼はついに屈しました。 原本『Noureev』:Lee a tout fait pour séduire le Russe et il a fini par succomber, ジャクリーン・ケネディの妹リー・ラジウィル(Lee Radziwill)とヌレエフについての匿名の談話。 「ついに屈した」(a fini par succomber)のは...

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感情のせめぎ合いは決して収束しなかった

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.151-152:感情的な戦争にも似た思いは彼らの再会と共に収束したが、結局二人は会うごとに少しずつ距離を広げることになってしまった。 Telperion訳:一種の感情の戦争は2人の再会に影を落とすようになり、毎回少しずつ2人を離していく結果になった。 原本『Noureev』:Une sorte de guerre émotionnelle finit par entourer leurs retrouvailles, avec pour conséquence de les éloigner ...

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ブルーンとの疎遠はヌレエフが幸せでなかった直接の原因

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.151:ルドルフは観客の方に顔を向けながら唇の端を上げるようにして答えた。 「マーゴット、君は僕がどこにいても幸せだったことなんて一度もなかったのを知っているじゃないか」 二つの愛に生きる フォンテーンが“小さなジンギス・ハーン”と呼んでいた彼は、エリック・ブルーンとの距離に苦しんでいた。 Telperion訳:観客に向かって微笑みながら、ルドルフはほとんど嫌々ながら答え...

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