伝記『ヌレエフ』の翻訳の検討

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』(ベルトラン・メイエ=スタブレ著、新倉真由美訳、文園社)と『ヌレエフとの密なる時』(ローラン・プティ著、新倉真由美訳、新風舎)の誤訳と改変。『バッキンガム宮殿の日常生活』(ベルトラン・メイエ=スタブレ著、新倉真由美訳、文園社)の一部も対象

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新倉本『ヌレエフ』の不自然さ - このブログより

新倉真由美による訳本『ヌレエフ』のあちこちにある矛盾や意味不明さのうち、少ない行数で説明できるあからさまなものは、ブログ開設前に「三日月クラシック」のコメントとして投稿しました。それらについては2回に分けて書きました(前編、後編)。一方、このブログで扱っているその種の個所は、だいたいが次のどちらかに当たります。 前後を含めて通し読みするとあからさまに変だが、誤訳そのものだけを取り出すとそれほど変に...

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新倉本『ヌレエフ』の不自然さ - 「三日月クラシック」より(2)

『ヌレエフ』を読んで事前の知識の有無にかかわらずに変だと思った訳文について、今回は「三日月クラシック」の次の記事に載っている分を取り上げます。 『光と影』原文比較 追加(以下「原文比較3」 『光と影』原文比較4 『光と影』原文比較5 とはいっても、今回取り上げる訳文は前回ほど多くありません。原文比較3のときはDiane Solway著『Nureyev: His Life』の記述と合わない個所を主に照合したようだし、原文比較4・5のと...

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新倉本『ヌレエフ』の不自然さ - 「三日月クラシック」より(1)

私が2011年2月に初めて新倉真由美による訳本『ヌレエフ』を読んだとき、「どういう理屈でこの文が書かれたのかさっぱり分からない」と当惑することがよくありました。2011年3月に早速「三日月クラシック」へのコメントで愚痴っています。バレエやヌレエフについて知らなくても「この文が正しいとは思えない」と怪しむような個所を列挙してみたいのは、今年最初の記事でも書いたとおりです。 まず原文比較2の記事を取り上げる理由 ...

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誤訳を守るために原文を書き換えた疑惑 (2)

最初は原本を信頼しよう 私は外国語の文を読解するとき、次のことを心がけています。 個々の単語に辞書から外れていない意味を当てる すべての単語の役割を説明できるように原文の構文を解析する その上で、前後の文脈から外れない、筋の通った意味を探す このすべてに成功した解釈がきっと存在すると信じるのが大前提です。メイエ=スタブレはこの手の本を何冊も出してきたライター。それなりに読みやすく首尾一貫した文...

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誤訳を守るために原文を書き換えた疑惑 (1)

文の一部を誤解するのはよくあることです。でも、近くの別な部分を読んで「あれ、さっき書いてあったことと矛盾している。そうか、さっきのは勘違いだ」と間違いに気づくことも多いものです。こうして自分で誤訳を修正しやすいことが、長文のいいところ。 ところが、新倉真由美の訳文を読んでいると、勘違いのままだと矛盾する他の個所が都合よく消えていることがあります。不注意が重なっただけかもしれません。でも、私は矛盾を...

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『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』の改題!?

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』の改題!?

あまりにも今ごろ「バレリーナへの道」に関わる話ですみません。小さいといえば小さいことですが、触れないまま流すのも後々すっきりしなさそうなので。 宣伝写真の表紙が現物と違う ヌレエフ特集付き「バレリーナへの道」の出版本案内ページに『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』があります。当然ですね。私はこの雑誌でヌレエフ特集をすると知った時、「ヌレエフのアニバーサリーに乗じて自分の本の宣伝か」と普通に思い...

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翻訳に由来する新倉本『ヌレエフ』の間違い - ヌレエフ

新倉真由美による『ヌレエフ』の翻訳のせいで、原著者が間違いだらけの文を書いているように見える個所の列挙、第2弾です(第1弾はバレエ一般について)。今回は、以下のすべてを満たす部分を挙げます。 新倉本にあるヌレエフに関する間違った記述 間違っているのは原著者のせいではない 事実が事実であるという裏付けが取りやすい ヌレエフの伝記作者なら正しくはどうなのかを知っていて当たり前だと私が思う 正しくはどうなの...

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翻訳に由来する新倉本『ヌレエフ』の間違い - バレエ一般

前も書いたとおり、新倉真由美訳『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』は、原本と比べると以下の3つが数多くあります。 明らかに事実でないこと 非論理的な文 意図的と疑いたくなるほど異なるヌレエフ像 このうち3番目については、すでに主だった個所を「新倉本が招くヌレエフの誤解 - 一覧」でピックアップしました。今回は1番目の一部として、原著者のせいでない、バレエ関係の大きく間違った記述を挙げてみます。ただし...

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「バレリーナへの道」の新倉真由美コラム - 振付への評価を装う

文園社のヌレエフ特集を読んでからたまっているものを、もう少し吐き出さないとすっきりしそうにありません。前回からだいぶ経ちましたが、続けます。 ヌレエフの言葉に共感するそぶりと現実 新倉真由美のコラム「ルドルフ・ヌレエフの生涯」を読んでいて、「同じことを『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』訳者あとがきでも書いていたっけ」と思い出した個所は他にもあります。 ヌレエフは自分の振付作品が上演される限り...

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新倉真由美訳『ヌレエフ』の固有名詞ミス

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』にある耳慣れない名前が日本語でほとんど話題にならない人や物なのか、それとも誤植のせいで生まれた架空の名前なのか、この本を読むだけでは区別が難しい。原本にある固有名詞ミスと対比させる意味でも、『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影独自の固有名詞ミスを列挙してみたいと前から思っていた。 ただ、原語に対する日本語表記は一つとは限らず、許容できる表記かどうかの線引きは...

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