パトリック・デュポンはパリ・オペラ座の外に出た

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.277:パトリック・デュポンは八六年以降彼を閉め出そうとしていたし、 Telperion訳:パトリック・デュポンは1986年以降、足音高く飛び出すほうを好み、 原本『Noureev』:Patrick Dupond a préféré claquer la porte dès 1986 ヌレエフがパリ・オペラ座監督だった時期の後期、オペラ座ダンサーとの関係が悪化した例として挙げたこと。もっとも、デュポンの自伝の訳本『パリエトワール...
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新倉本が招くヌレエフの誤解(3) - 馬耳東風

訳本だけに書かれていること、実際にあるにはあるが訳本では誇張されていることは、できれば分けて扱いたいのですが、区別するのが面倒なので、どちらも見出しでは誤解と呼ぶことにしました。 P.255 態度を変えようとせず、耳に入ってくる批判も聞き流していた(「三日月クラシック」の原文比較3より) P.262 決してベジャールに謝罪しなかった(「三日月クラシック」の原文比較5より) 辞退が受諾に化ける 内輪の皮肉が公言のよ...
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デュポンの声明に辛辣さはあるのか

以前記事「パリ・オペラ座との関係は監督辞任直後は冷え気味」で、『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』の原著者メイエ=スタブレ(Meyer-Stabley)は当時のデュポンに「辛辣さがないわけではない」と書いていることを述べました。それなら、その直後に引用されるデュポンの声明には、その心情がにじみ出ているはずです。なのに訳本ではしごく穏当にヌレエフを立てているのが不自然なので、原文にあたったのですが、私の読解力で...
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ヌレエフはパトリック・デュポンのバレエに懐疑的

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.259:バレエ以外の分野でも間違いなくスターになるでしょう」 Telperion訳:もちろんスターになるでしょう、バレエか他のことで」 原本『Noureev』:Il sera certainement une vedette, de la danse ou d'autre chose » ヌレエフによるパトリック・デュポン評の締めとなる言葉。 一見ささいな「そして」と「または」の違い 原文で"de la danse"(踊りの)と"d'autre chose"(他のことの...
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喝采されるヌレエフからほの見えた尊大さ

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.220:妙技の羅列のみならずクラシックバレエの卓越した技巧を披露した彼は、瞳に微笑みをたたえ“皆さんアンコールをお望みですか?”とでも言いたげだった。 Telperion訳:名人芸のレッスンだが、同じように古典バレエの自制のレッスンでもあり、目と微笑みの中に、王者らしくもあり神のようでもある名状しがたいものがのぞいており、こう言っているかのようだった。「哀れな人間たちよ、...
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共演要求とHIV診断は無関係

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.286:ルドルフは感染を知ってから Telperion訳:すでに病の身だと知りながら、 原本『Noureev』:alors qu'il se savait déjà malade, パトリック・デュポンの述懐「ルドルフがオペラ座で『さすらう若人の歌』でパートナーになるように要求してきた」の前置きとなる部分で、出典は自伝『Étoile』。 仏文和訳の解説 maladeは「感染した」でなく「病気の」 "alors que ~(節)"は「~...
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原著者にとってヌレエフとデュポンの共演は異例

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.286:ヌレエフとデュポンは赤いタイツを履き手に手を取って踊った。その光景が象徴するようにデュポンがヌレエフを継いで芸術監督になるだろうと思われた。 Telperion訳:和解し、赤いタイツを履き、手に手を取って共に踊るヌレエフとデュポン。デュポンがヌレエフの芸術監督の地位を継ぐことになるだけに、その舞台はなおさら現実離れしていた。 原本『Noureev』:Noureev et Dupond réc...
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反体制なのはデュポン

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.255:反体制のルモンド紙のインタビュー Telperion訳:ルモンド紙での反体制的なインタビュー 原本『Noureev』:une interview contestataire au Monde ヌレエフが先頭に立って踊りたがることに不満を表明したパトリック・デュポンのインタビューについて。 形容詞contestataire(反体制派の)は前の名詞interview(インタビュー)とは直接つながっているが、後のLe Mondeとは前置詞àでへ...
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