プティと和解するためヌレエフは自尊心を抑えた

『ヌレエフとの密なる時』P.79-80:電話の切り際に私は「私は君が好きだ、わかっていると思うけれど」と言った。多分彼は自尊心を保とうとしたのだろう。とまどいながらくぐもった声で答えた。「僕もあなたを愛している」 Telperion訳:私は電話を切り、そのときはっきりと言った。「好きだよ、知ってるだろう」。そして彼は答え、その声は力がなく、ためらいがちだった。自分のプライドにハンカチをかける必要があったからだ。「私...
全部読む

自分から和解を持ちかけようとはしなかったプティ

『ヌレエフとの密なる時』P.79:本当のことを言えば、私は和解を願い、怪人ヌレエフが同意の兆候を見せてくれることだけを待っていたのだった。 Telperion訳:実際には私は、期待していた和解の合図を怪物が見せることだけを待っていた。 原本『Temps Liés avec Noureev』:En réalité je n'attendais qu'un signe du monstre pour la réconciliation que j'espérais. 1983年の「ノートルダム・ド・パリ」ニューヨーク公演がもと...
全部読む

他の誰よりも前に耐えたプティ

『ヌレエフとの密なる時』P.76-77:当初私はなんとか彼の急変ぶりに耐えようと試みたが、彼との殴り合いを回避するにはこれ以外の解決策が見つからなかった。もし喧嘩になったら、この愛してやまない怪物と私は転げ回って殴り合ったかもしれない。 Telperion訳:私はこの危機に誰よりも真っ先に耐えたが、殴り合いを回避するには、他に解決法はなかった。もし殴り合いになれば、あの怪物は私と共に転げ回るのを大変気に入ったろうが...
全部読む

互いを受け入れるのはこれからするべきこと

『ヌレエフとの密なる時』P.79:愛情に満ちた強い抱擁のほかに我々は何を待ち望んでいただろう。私たちはまったく違う性格をしていたが、時には非常に接近しお互いを受け入れていたはずだった。 Telperion訳:愛情のこもった抱擁の後、我々の異なる性格、それでいて時にはあれほど近い性格を持ちつつ、お互いを今度こそ受け入れることの何をためらっていたのか。 原本『Temps Liés avec Noureev』:Qu'attendions-nous pour, après ...
全部読む

主催者の期待がプティの不満にされる

『ヌレエフとの密なる時』P.70:契約が交わされ、私はこのシーズンは成功するだろうという予感に包まれていた。ある日ジェーン・ハーマンが微笑みながら私のところにやって来て、ぜひヌレエフを招待して『ノートルダム・ド・パリ』のカジモド役を2、3回踊ってもらいたいと言った。それは我々のニューヨーク滞在に余計な波紋をもたらすことになるかもしれない。何かと取り沙汰されてしまう危険性もある。踊り手はすでに決まってい...
全部読む

疑念をかきたてたのは昔の思い出

『ヌレエフとの密なる時』P.71-72:大勢の共演者の面前でレッスンしている姿を幾度となく見るたびに、これは私をまったく軽蔑していることをあてつける表現なのではないだろうかと自問自答することさえあった。 Telperion訳:多くの仕事仲間に面と向かって彼が行うのをあれほど何度も見てきたような、完全なる軽蔑の表現でないのかどうか、自問するに至った。 原本『Temps Liés avec Noureev』:j'en arrivais à me demander si cel...
全部読む

amourは「愛」、amour-propreは「誇り」

『ヌレエフとの密なる時』P.77:時の流れは、愛そのものが負った傷の深さを教えてくれた。 Telperion訳:時は誇りが受けた傷の手当をすることになる。 原本『Temps Liés avec Noureev』:Le temps pansera les plaies d'amour-propre. 1983年の「ノートルダム・ド・パリ」のニューヨーク公演がもとでローラン・プティがルドルフ・ヌレエフと決裂し、離れることを決意するくだりの締めの文。「amourは「愛」で、propreは「固有の...
全部読む

プティに無断で作品を踊ろうとしたヌレエフ

『ヌレエフとの密なる時』P.74:僕はパリでデュウシュカ(マカロワ)と踊るから」 ヌレエフがこう言っていたことは、ニューヨークでヌレエフの相手役のエスメラルダを演じたマカロワから教えてもらった。彼女はパリ・オペラ座国立劇場の芸術監督に就任したヌレエフにより、ガルニエ・オペラ座に招待されていた。大変ご立派なことに、彼は私の意見などまったく聞くこともなく何もかも決定していたが、私は了承しなかった。 Telperion...
全部読む

不満足な練習の原因は観客への不誠実ではなかった

『ヌレエフとの密なる時』P.72:そうやって彼はとにもかくにも舞台に立ち、まぎれもなく主役であることを自覚していた。観客たちはその尊大なパフォーマンスに大喝采を送り、彼らの偶像に対し、おそらく最後になるであろうスタンディングオベーションをするのだった。 事実、彼には何も残されていなかった。私はかなり後になってから、彼がその時、すでに体力に見放されているのを感じだし、初めて自信を失い懐疑的になっていたこ...
全部読む

プティが憶測したヌレエフの意図 - 挑発

『ヌレエフとの密なる時』P.72:たぶん彼は私を挑発しようとしていたのであり、珍しくバーについて動き、しまいには彼の卓越した技量を誇示してみせたことがあった。 Telperion訳:多分彼には、私を挑発する意図、そしてもう一度腕相撲をして最後に自分のほうが優れていることを証明しようとする意図があった。 原本『Temps Liés avec Noureev』:peut-être avait-il l'intention de me provoquer et cela pour une fois encore jou...
全部読む