伝記『ヌレエフ』の翻訳の検討

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』(ベルトラン・メイエ=スタブレ著、新倉真由美訳、文園社)と『ヌレエフとの密なる時』(ローラン・プティ著、新倉真由美訳、新風舎)の誤訳と改変。『バッキンガム宮殿の日常生活』(ベルトラン・メイエ=スタブレ著、新倉真由美訳、文園社)の一部も対象

TOP > エリック・ブルーン

関係悪化の原因として語られるのはブルーンの感情のみ

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.151:ルドルフはすっかり有名人になってしまった自分の周辺で、エリックがあまり注目を浴びなくなるのを気の毒に思っていた。 Telperion訳:その上、ロシア人があまりに有名人になったため、自分の周りでの関心のほうが低いと感じるのは、エリックにとってつらいことだった。 原本『Noureev』:De plus, le Russe est devenu une telle célébrité qu'il est pénible pour Erik de sentir ...

... 続きを読む

コメント : (0)

トールチーフとブルーンがかつての恋人だという示唆

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.127-128:彼女は周知のとおりバイ・セクシュアルなエリックがタタール人に惹かれ、彼女のロマンスが終わってしまうかもしれないと思ったが、自分が紹介したダンサーを二人とも失うとは想像していなかった。 Telperion訳:自分のデンマークのロマンスに終止符が打たれたこと、周知のバイセクシャルであるエリックがタタール人に魅了される以外にないことは知っていても、2人のダンサーを互...

... 続きを読む

コメント : (0)

新倉本が招くヌレエフの誤解(6) - ブルーンとの関係

P.128 それは炎と氷の出会いであり、同時に天使と悪魔の邂逅でもあった。(「三日月クラシック」の原文比較3より) P.130 エリックに追いつき支配したがるようになった(同上) 似ている2人を対照的呼ばわりする新倉真由美 第1項で、原文最初の“les deux danseurs blonds se ressemblent”(2人のブロンドのダンサーは互いに似ている)は、誤解しようがない単純明快な文。「火と氷の出会い」や「同時に天使と悪魔」は、2人のどんなと...

... 続きを読む

コメント : (0)

感情のせめぎ合いは決して収束しなかった

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.151-152:感情的な戦争にも似た思いは彼らの再会と共に収束したが、結局二人は会うごとに少しずつ距離を広げることになってしまった。 Telperion訳:一種の感情の戦争は2人の再会に影を落とすようになり、毎回少しずつ2人を離していく結果になった。 原本『Noureev』:Une sorte de guerre émotionnelle finit par entourer leurs retrouvailles, avec pour conséquence de les éloigner ...

... 続きを読む

コメント : (0)

ブルーンとの疎遠はヌレエフが幸せでなかった直接の原因

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.151:ルドルフは観客の方に顔を向けながら唇の端を上げるようにして答えた。 「マーゴット、君は僕がどこにいても幸せだったことなんて一度もなかったのを知っているじゃないか」 二つの愛に生きる フォンテーンが“小さなジンギス・ハーン”と呼んでいた彼は、エリック・ブルーンとの距離に苦しんでいた。 Telperion訳:観客に向かって微笑みながら、ルドルフはほとんど嫌々ながら答え...

... 続きを読む

コメント : (0)

ブルーン逝去より前に決まったニューヨーク公演

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.262:悲嘆にくれていたルドルフのもとに、元気を回復させる二つの朗報が舞い込んだ。それは同年七月メトロポリタンオペラ劇場で行われるガラ公演でのバリシニコフとの共演と、パリ・オペラ座バレエ団のアメリカ公演の知らせだった。一九八四年のニューヨーク公演以来の(以下は原本で引用外の文なので略) Telperion訳:しかし、深く悲しんだルドルフには、喜びを覚える2つの機会があった。...

... 続きを読む

コメント : (0)

トールチーフとバランシンやブルーンの縁がヌレエフを魅了

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.126:当時三六歳だった彼女は確かに魅力的だった。彼女はジョルジュ・バランシンの三番目の妻で、ダンサー・エリック・ブルーン*1のパートナーで仲間でもあった。 Telperion訳:36歳の彼女には、確かに本物の磁力のような存在感があった。しかしなかでも、彼女はかつてジョージ・バランシンの3番目の配偶者であり、またモスクワに立ち寄って*以来ルドルフを魅了したダンサー、エリック・...

... 続きを読む

コメント : (0)

プログラム作りの苦労は負傷の原因とはいえない

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.136-137:しかし公演のたびに四人のダンサーのためにプログラムを構成するのは次第につらくなり、案の定千秋楽の夜に事件が起こった。 Telperion訳:4人のダンサーにとって公演全部のプログラムを組むのはすでにつらかったが、そこに最後の夜に災難が起こった。 原本『Noureev』:Il est déjà dur pour quatre danseurs de composer le programme de toute une soirée, mais voilà que la...

... 続きを読む

コメント : (0)

「ゼンツァーノの花祭り」は急な登板だった

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.138:彼は最も純粋なブルノンヴィルの伝統的作品“ゼンツァーノの花祭り”のパドドゥーを初めて踊る予定だった。 Telperion訳:これを彼は行い、こうして最も純粋な「ブルノンヴィル」の伝統の「ゼンツァーノの花祭り」のパ・ド・ドゥーを初めて演じたのだった。 原本『Noureev』:ce qu'il fait, exécutant ainsi pour la première fois le pas de deux de Fête des fleurs à Genzano dans...

... 続きを読む

コメント : (0)

必ずしも人格者でないエリック・ブルーン

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.183: 私が知っているエリックは厳格な人でした。 Telperion訳:1970年代の初めにエリックを知ったとき、彼は辛辣な人でした。 原本『Noureev』:Erik était un homme amer quand je l'ai connu au début des années 1970. 往年のダンサー、ソニア・アロワが語るエリック・ブルーン。 当時のブルーンには攻撃性があった amerの意味としては、次のものが挙げられる。いずれも、自らが...

... 続きを読む

コメント : (0)