ワガノワ時代の苦労は小さくはない

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.50:私は苦痛の限界にいたわけではありません Telperion訳:私の苦痛には終わりがなかった。 原本『Noureev』:Je n'étais pas au bout de mes peines, ヌレエフがワガノワ・アカデミーで周囲に反発されたことを述懐する自伝の引用の始まり。 boutは「端、果て」という意味で、それを使ったイディオム"au bout de ~"は「~の果てに、~の終わりに」。これを当てはめるとヌレエフの言...
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ソ連警察の敵意を原著者の見解と混同

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.69:しかし公演のたびにヌレエフと外国人たちとの深い交友関係を記録している警察にエスコートされるのを渋々認めなければならなかった。 Telperion訳:だがこのような公演の一つに行くたびに、「ヌレエフが外国人との間で交わすこの異常な友好関係のすべて」を記録する警官に自分が護衛されていることに気づいた。 原本『Noureev』:Mais chaque fois qu'il se rend à l'une ces représe...
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バリシニコフによる弔辞は素直に訳せば十分なのに

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』巻頭:彼は、朴訥で天涯孤独な男性である一方偶像として、カリスマ性と近づきがたい尊大さを持ち合わせていた。 Telperion訳:彼は地上の人間のカリスマと単純さ、そして神々の触れるべからざる傲慢さを備えていました。 原本『Noureev』:Il avait le charisme et la simplicité d'un homme de la terre, et l'arrogance intouchable des dieux. バリシニコフが寄せた弔辞。『Noureev: ...
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メーク中は「若者と死」の撮影対象外

『ヌレエフとの密なる時』P.37:メイキャップのカット撮影の時、私はヌレエフが目の前に掲げて自分の顔を見ていた手鏡をつかんだ。 Telperion訳:メーク直しの時、私はダンサーの鏡を顔の前で支えていた。 原本『Temps Liés avec Noureev』:A un raccord de maquillage je tenais le miroir du danseur devant son visage, ヌレエフとジジ・ジャンメールの「若者と死」の収録現場でのひとこま。この映像は商品化されており、ヌ...
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ダンサーが競馬騎手の体に憧れるとは

一般常識に照らし合わせると訳文が奇妙に見える場合、私は原文をチェックするようにしています。今回取り上げるのは、『ヌレエフとの密なる時』訳本には数少ないそういう個所。もっとも、ヌレエフやバレエに関する予備知識と照らし合わせると奇妙に見える訳文は、この本にはいくつもありますが。 『ヌレエフとの密なる時』P.98:常に体重に対して強迫観念を持っており、競馬騎手の体型を理想としていた彼 原本『Temps Liés avec...
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