ヌレエフの家とフィリッポの家の位置関係

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.205:一九八〇年代以降ルドルフは、この島の一方に邸宅を持ち、もう一方には劇作家エドワルド・ド・フィリッポのヴィラが建てられていた。 Telperion訳:1980年代から、ルドルフはこの島に家を持つことになる。島はポジターノに面したナポリ湾の2つの岩礁の1つである(もう1つには劇作家エドゥアルド・デ・フィリッポの別荘がそびえていた)。 原本『Noureev』:À partir des années 1980, ...
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思いやりあふれるのはジジでなくヌレエフ

『ヌレエフとの密なる時』P.36:情熱的なジジはこのスーパースターとの共演を非常に享受し、彼に合ったゆったりした雰囲気づくりに成功し、それはこの思いやりあふれるダンサーの魅力を余すところなく際立たせた。普通ヌレエフはパートナーとして組むことを決める前には厳しいテストを行うのだが、 Telperion訳:熱狂したジジは怪物とともに大いに楽しみ、彼の思いやりある魅力を引き立たせるのにぴったりのリラックスした雰囲気を...
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新倉本が招くヌレエフの誤解 - 一覧

「新倉真由美の訳本『ヌレエフ』でのヌレエフの描かれ方がろくでもない」リストがいつまでも12の記事に分散したままでは読みにくいので、記事一覧をまとめます。 このブログの記事 新倉本『ヌレエフ』における原本『Noureev』から逸脱したヌレエフ描写を傾向ごとに分類し、傾向ごとに感想記事とこのブログにある具体例の記事一覧を付けました。一部の傾向に感想記事しかないのは、その傾向に属する個所すべてが、別なブログ「三...
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「バレリーナへの道」の新倉真由美コラム - 人間ヌレエフ論

「微熱が続くし、だるくて頭が働かない、風邪らしい」と思って1週間。あまりに治らないので診察を受けたら溶連菌感染症と判明し、ちゃんとした薬を飲んで治し、それまでにたまりまくった仕事を片付けるのに追われて1週間。最初にすぐ診察を受けていたらこんなに時間をロスしなかったのですが、症状がしつこいとはいえ激しくはなかったので、ついつい過小評価しました。 ところで、文園社刊「バレリーナへの道」94号にヌレエフ特集...
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「ヴァレンティノ」におけるヌレエフのユーモア

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.240:極上のユーモア、露骨なときもあったが、時おり呟くように言っていた微妙な冗談。ケン・ラッセルも気づかなかったかもしれないが、非常に刺激的だった。 Telperion訳:高度なユーモアだ。時には明白で場面に即しており、時にはあまりに繊細なため、ケン・ラッセルとその意図からうまく逃れたのかもしれない。このことに我々は嬉しくなる。 原本『Noureev』:Un humour supérieur : p...
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新倉真由美の訳語ほど卑小でない原著者の表現

今まで「『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』の原文逸脱のせいで、ヌレエフの性格描写が気の毒なことになっている」という例をつらつら書いてきました。今回書くのは、このくらいなら訳者の裁量のうち、翻訳ミスには当たらないとは思いながらも、何となく引っかかる個所です。新倉真由美がよそであれほどヌレエフの性格に傷をつける訳文を連発していなければ、流せたかも知れません。 1. 皇帝の力とスターの気まぐれ 『ヌ...
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新倉本が招くヌレエフの誤解(12) - いろいろ

夫人は彼を取り巻きにした P.203 遊べる相手を物色(「三日月クラシック」の原文比較2より) P.306 病気、熱とだるさに打ち勝てず(中略)運命の流れを変えられないことにうろたえていた。(「三日月クラシック」の原文比較3より) 指揮者への転職を考えて マリー=エレーヌがヌレエフを取り巻きに? 第1項は、マリー=エレーヌ・ド・ロスチャイルドとヌレエフの関係が一気に寒々しくなりました。intimeの意味として仏和辞書に「親...
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新倉本が招くヌレエフの誤解(11) - パートナーに不親切

ここに挙げるものは、今まで挙げたなかによくあったような「こんな訳文にするなんて信じられない」というものではなく、普通の翻訳ミスと呼んでよいでしょう。でも、ヌレエフがバレエのときに物を投げたとか平手打ちをしたとかいう話ばかり『ヌレエフ』にある一方、パートナーへの態度が良かったという話が消えるのは面白くないので、単独の記事で取り上げることにしました。 P.211 実力以上にみせてあげた人は僅かしかいなかっ...
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