ヌレエフ亡命の根拠となった条約の呼び名

記事「居住しない国でこそ亡命を申請できる」で取り上げた部分で、ヌレエフが亡命するための根拠にした取り決めが触れられます。原本『Noureev』では"La convention de Genève"、訳本『ヌレエフ 20世紀バレエの真髄 光と影』では「ジュネーヴ協定」。当時はこの言葉が妥当かどうかに確信が持てず、奥歯に物が挟まったような文だったと思います。当時の記事に書いたことを引用します。 仏和辞書だけを頼りに"La convention de Ge...
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マーキュリーとの恋愛は本当? - 怪しすぎる証人

あまりに検証に堪えない噂は扱ってほしくない 確証に欠ける噂話を耳に入れるのは、必ずしも嫌いではありません。でもMeyer-Stableyが『Noureev』でヌレエフとフレディのロマンス説について書いた文は、「事実ともそうでないともつかない話」のレベルには到底達していません。 フレディ逝去にヌレエフが付き添ったのは真実ではない 前回書いたことで十分でしょう。マーキュリー逝去当時の様子はあちこちで書かれています。文献に...
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マーキュリーとの恋愛は本当? - オカルト証言

Meyer-Stableyの『Noureev』には、ヌレエフといろいろなセレブの恋愛関係の話も出てきます。ほとんどの場合、関係はごく一時的なものらしく、真偽ははっきりしません。私は信じるとも信じないともつかない態度でいます。でもフレディ・マーキュリーの名前にだけは、そういう生ぬるい気分になれません。 ヌレエフがマーキュリーを看取ったという説明 Meyer-Stableyはヌレエフとマーキュリーの関係にそれなりの行数を割いています...
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アリソン・ワットが描いた皇太后は原著者の説明と違う

現実に即した訳文かどうかの確認に向けて 記事「皇太后論の自由すぎる創作」ですでに、新倉真由美の訳が正しくないという説明は済んでいます。しかしそれだけでは物足りない。私が提案した訳をもう一度載せます。 アリソン・ワットは大胆にも、君主国で最も人気のある人物の一人を、王家の属性でなく、きらめく宝石と果樹園に似た帽子で表現していたのだ! 構文解析は問題ないし、単語の辞書的意味も踏まえています。でもそれだ...
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レバノンでなくイランの人質事件

国が違う別の人質事件 『バッキンガム宮殿での日常生活』P.80に出てくる、サッチャーが首相当時関わったとされる「レバノン人質事件」。原書では"l'affaire des otages du Liban"。新倉真由美ならずとも「レバノン人質事件」に似た訳語を当てるでしょう。 しかしレバノン人質事件とは何かをgoogle検索で調べたところ、どうもそれらしき事件がヒットしません。かわりに浮上したのがこれでした。 Iranian Embassy siege(英語wikip...
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バッキンガム宮殿に多分State Apartmentsはない

「なぜ新倉本ではステート・ルームが住居呼ばわりされるんだ」という疑問から、フランス語でのappartementの意味と用例にまで発展した前回の記事。そして私が「Meyer-Stableyがステート・ルームをこう呼ぶのは不適切だろう」と考えるに至ったのは、フランス語でそう呼ばれている現状がある表現appartementsではなく、英語の呼び名"State Apartments"でした。前の記事にも書きましたが、もう一度引用します。 『バッキンガム』P....
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25年前の宮殿庭師頭を現役として紹介した原本

『バッキンガム宮殿の日常生活』の原本『La vie quotidienne à Buckingham Palace sous Elisabeth II』にあるおかしい記述は、メンデルスゾーンとオルガンの他にもありました。知識がない私が英国王室本の間違いを見つけるのはほぼ不可能なのですが、運というのはあなどれません。実は、見る人が見れば『Buckingham』も間違いが目立つ本なのでしょうか。 原本の記述 問題の文は次のとおり。 Meyer-Stabley原本:Fred Nutbeam e...
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メンデルスゾーンと関係ない舞踏会の間のオルガン

アルバートがメンデルスゾーンの前でオルガンの腕前を披露したときの当時の記録をMeyer-Stableyがいい加減に提示しているらしいと、前の記事で書きました。しかしどうやら、あの記録をあの個所で引用すること自体がおかしいのでした。 アルバートのオルガン演奏のエピソードは、もとはといえば舞踏会の間の説明の一部。直前の文は次のとおりです。 Meyer-Stabley原本:La salle de bal possède un orgue célèbre - Mendelssohn ...
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Meyer-Stabley原本とメンデルスゾーンの手紙の相違

宮殿を訪問した後のメンデルスゾーンの手紙 先ごろ「メンデルスゾーンとアルバートのオルガン競演」を書くとき、少し好奇心を起こしてgoogleで検索してみました。すると、バッキンガム宮殿に招待されたメンデルスゾーンが家族に宛てた1842年7月19日付の手紙の抜粋が学術文献サイトJSTORで公開されているのを見つけました。出典は「The Musical Times and Singing Class Circular Vol. 43, No. 713 (Jul. 1, 1902), pp451-455」。...
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共同作業の経験は豊富だったヌレエフ

私がMeyer-Stableyの見解について今まで異議を唱えたのは、時折「有名人との恋愛関係のうわさを信じすぎ」と書いてきたくらいでしょうか。ヌレエフは見る人によって大きく違うイメージを呼び起こすので(『密なる時』冒頭にあるように)、人によって言うことが違っても、それ自体はおかしくありません。はっきり白黒つけられない題材では物言いをつけにくいものです。でも今回、それでもちょっと違うんじゃないかと思ったことを書い...
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