伝記『ヌレエフ』の翻訳の検討

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』(ベルトラン・メイエ=スタブレ著、新倉真由美訳、文園社)と『ヌレエフとの密なる時』(ローラン・プティ著、新倉真由美訳、新風舎)の誤訳と改変。『バッキンガム宮殿の日常生活』(ベルトラン・メイエ=スタブレ著、新倉真由美訳、文園社)の一部も対象

久しぶりの記念日投稿

「ホワイト・クロウ」という起爆剤 今年もヌレエフが亡命した記念日、そして私がこのブログを公開した記念日がやってきました。この日を意識して記事を出すのは3年ぶり。2年さぼった後で今年書くとは、つい2ヶ月前は思っていませんでした。 記事の新規投稿が途切れていたここ数年、ずっとブログが眼中になかったわけではありません。大掛かりなメンテナンスとして、たとえば次のことをしました。 2017年9~11月ブログをレスポン...

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ホワイト・クロウを観て - 玩具店での成金風な態度

電車を買うヌレエフの無礼な態度は創作くさい 私が「ホワイト・クロウ」を観た感想のなかに、「パリのヌレエフはあんなに俺様じゃないと思ってたけどな」というのがあります。その一例として、ヌレエフが電動式の模型列車を買う場面を取り上げます。 「ホワイト・クロウ」での描写 高級玩具店でクララ・サンに付き添われ、電動式列車の模型を探すヌレエフ。次の候補を出そうとする店員に向かってヌレエフは「そんな安物は要らな...

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ホワイト・クロウを観て - 稽古場のヌレエフとセルゲイエフ

  • カテゴリ : 雑談
  • 最終更新 :

「ホワイト・クロウ」観ました ヌレエフの伝記映画「ホワイト・クロウ」が5/10から公開中です。亡命までを描くと聞いたときは、「サクセス・ストーリーとして一番分かりやすい時期だけか」と思い、大して気に留めていませんでした。しかしあちこちのメディアで取り上げられ、客入りもいいらしいと知り、気になってきました。没後20年の2013年は日本でこんなに盛り上がっていた記憶がありません。生誕80年の2018年は私自身があまり...

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ヌレエフ亡命の根拠となった条約の呼び名

記事「居住しない国でこそ亡命を申請できる」で取り上げた部分で、ヌレエフが亡命するための根拠にした取り決めが触れられます。原本『Noureev』では“La convention de Genève”、訳本『ヌレエフ 20世紀バレエの真髄 光と影』では「ジュネーヴ協定」。当時はこの言葉が妥当かどうかに確信が持てず、奥歯に物が挟まったような文だったと思います。当時の記事に書いたことを引用します。 仏和辞書だけを頼りに“La convention de Ge...

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『ヌレエフ』を出版した文園社はもうない?

文園社の異変 もう数ヶ月も前のこと、とても久しぶりに文園社の新刊紹介ページを見に行きました。新倉真由美の4冊目の翻訳本が出ないとも限らないので。そうしたら、「www.bunensha.co.jp という名前のサーバが見つかりませんでした。」というエラーメッセージが返りました。JPRS Whoisサービスでドメインbunensha.co.jpの状態を調べたら、その時点では他の正常なjpドメインと同じく、Connected(接続済)でした。しかし12月下旬に...

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エリック・ヴュ=アンを昇進させやすくするためのルグリ昇進

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』P.260:ベジャールによれば彼はバレエの責任者とオペラ座の最高顧問アンドレ・ラリックに、何度もエトワール指名について提案を行っていた。そのためプルミエ・ダンスールに配属されていたマニュエル・ルグリのエトワール指名も気まぐれで行われたのではない。 Telperion訳:ベジャールの説によると、この振付家はバレエの管理担当者とオペラ座理事長アンドレ・ラルキエに、このダンサーを...

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既存の指摘記事の手直し

公開3周年記事の後、新規記事なしで1年経過。ブログどころか、ヌレエフとパリオペの新着ニュースから離れていた時期もありました。その間に新倉真由美の4冊目の翻訳本が誕生しなくて幸いでした。そんなものを数か月放置する結果になったら、たとえその後で追いついたとしても後味が悪すぎます。有限不実行で恥ずかしいので、この記事のタイトルは「ブログ公開4周年」にはしません。 記事を読みやすくする努力は続けたい 『ヌレエ...

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ブログ公開3周年

今日で3周年を迎えました。でも最近はろくに更新していなくて、歯がゆい気持ちです。1月から長引いていた咳と3月の花粉症のダブルコンボに会い、しばらくはとても文章を書けない状態だったのが発端でした。復調した後も、崩れた記事書きリズムを立て直すのはなかなか難しい。そろそろ他のことにも目を向けたいし、3冊それぞれに指摘記事作成には困難があります。でも、まだできることは少しはありそうです。 『ヌレエフ 20世紀バ...

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王室は任命の実権を持たない

『バッキンガム宮殿の日常生活』P.73:王室の遠隔操作による首相や知事など高級官僚の任命には、女王の手にキスをするという特別な計らいが伴っている。 Telperion訳:総理大臣からはるか遠くの英連邦加盟国の総督に至るまで、上級公務員の任命には、女王の手にキスをするという好意が伴う。 原本『Buckingham Palace au temps d'Elisabeth II』:La nomination d'un haut fonctionnaire, depuis le Premier ministre jusqu'au gouv...

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マーキュリーとの恋愛は本当? - 怪しすぎる証人

あまりに検証に堪えない噂は扱ってほしくない 確証に欠ける噂話を耳に入れるのは、必ずしも嫌いではありません。でも原著者メイエ=スタブレ(Meyer-Stabley)が『Noureev』でヌレエフとフレディのロマンス説について書いた文は、「事実ともそうでないともつかない話」のレベルには到底達していません。 フレディ逝去にヌレエフが付き添ったのは真実ではない 前回書いたことで十分でしょう。マーキュリー逝去当時の様子はあちこち...

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