伝記『ヌレエフ』の翻訳の検討

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)と『ヌレエフとの密なる時』(ローラン・プティ著、新倉真由美訳、新風舎)の誤訳と改変。『バッキンガム宮殿の日常生活』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)の一部も対象

リハーサルを拒否したのはヌレエフ

『ヌレエフ』P.257:
かっとしやすい芸術監督はまた衝動的な行動をした。テーブルをひっくり返しティポットの中身をひとりのバレリーナの上にかけたのだ。彼女はリハーサルを拒否した。
Meyer-Stabley原本:
le fougueux directeur de la danse fait une nouvelle crise, culbutant les tables, renversant le contenu d'une théière sur une danseuse et refusant de répéter.
Telperion訳:
激しやすい芸術監督はテーブルをひっくり返し、ティーポットの中身を1人の女性ダンサーにぶちまけ、リハーサルを拒否して新たな危機を呼んだ。

バレエの配役に支障が生じたときのこと。

refusant(拒否する)は前のculbutant(ひっくり返す)、renversant(ぶちまける)と同じ現在分詞で、主語は主文の主語と同じくヌレエフ。

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Author:Telperion
バレエへの関心が芽生えたのは2011年1月。その翌月に読んだ『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』は、そんな新参の私から見ても、間違いや意味不明な記述が多すぎました。その原因のほとんどが翻訳のひどさだと気づいたことからブログ開設を思い立ち、今は同じ訳者による邦訳本3冊を取り上げています。詳しくはこのブログでしたいこと 第3版をご覧ください。
フランス語の学習を始めたのは『ヌレエフ』に出会う少し前。まだまだ知識は浅く、至らぬところもあるでしょう。お気づきのことはぜひ知らせてください。リンクはご自由に。

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