伝記『ヌレエフ』の翻訳の検討

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)と『ヌレエフとの密なる時』(ローラン・プティ著、新倉真由美訳、新風舎)の誤訳と改変。『バッキンガム宮殿の日常生活』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)の一部も対象

ブルーンとの関係はまだ予測できない

『ヌレエフ』P.142:
彼は私の友人か恋人か敵になるだろう。
Meyer-Stabley原本:
Qu'il devienne mon ami, mon amant ou mon ennemi,
Telperion訳:
たとえ彼が友になろうと恋人になろうと敵になろうと、

ヌレエフがソ連にいたころ、エリック・ブルーンの映像を見て心酔のあまり考えたこと。

devienneは動詞devenir(~になる)の活用形の1つで、時制は接続法現在。接続詞queで始まる節の時制が接続法のとき、この節には仮定「もし~なら」や譲歩「~であろうと」の意味がある。この場合は、「彼に会ってすべてを学ばねばならない」と続くことから、「~であろうと」の意味が妥当。

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Author:Telperion
バレエへの関心が芽生えたのは2011年1月。その翌月に読んだ『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』は、そんな新参の私から見ても、間違いや意味不明な記述が多すぎました。その原因のほとんどが翻訳のひどさだと気づいたことからブログ開設を思い立ち、今は同じ訳者による邦訳本3冊を取り上げています。詳しくはこのブログでしたいこと 第3版をご覧ください。
フランス語の学習を始めたのは『ヌレエフ』に出会う少し前。まだまだ知識は浅く、至らぬところもあるでしょう。お気づきのことはぜひ知らせてください。リンクはご自由に。

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