伝記『ヌレエフ』の翻訳の検討

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)と『ヌレエフとの密なる時』(ローラン・プティ著、新倉真由美訳、新風舎)の誤訳と改変。『バッキンガム宮殿の日常生活』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)の一部も対象

complication(いざこざ)とcompliment(賛辞)

『ヌレエフ』P.131:
出演料はもらえないが、ありとあらゆる賛辞を浴びるだろう。
Meyer-Stabley原本:
il ne touchera pas de cachet. Mais il y aura quand même toutes sortes de complications.
Telperion訳:
出演料は受け取らない。しかしそれでも、あらゆる種類のいざこざがあるだろう。

クエヴァス・バレエと契約中にフォンテーンからガラに招待されたヌレエフの迷い。

complicationの意味として仏和辞書にあるのは「複雑さ」「もめごと」など。ここでの意味は「もめごと」で、ガラ出演で生じる問題や、マスコミに殺到される恐れがあることを指すと考えられる。「褒め言葉」はcompliment。

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Author:Telperion
バレエへの関心が芽生えたのは2011年1月。その翌月に読んだ『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』は、そんな新参の私から見ても、間違いや意味不明な記述が多すぎました。その原因のほとんどが翻訳のひどさだと気づいたことからブログ開設を思い立ち、今は同じ訳者による邦訳本3冊を取り上げています。詳しくはこのブログでしたいこと 第3版をご覧ください。
フランス語の学習を始めたのは『ヌレエフ』に出会う少し前。まだまだ知識は浅く、至らぬところもあるでしょう。お気づきのことはぜひ知らせてください。リンクはご自由に。

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