伝記『ヌレエフ』の翻訳の検討

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)と『ヌレエフとの密なる時』(ローラン・プティ著、新倉真由美訳、新風舎)の誤訳と改変。『バッキンガム宮殿の日常生活』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)の一部も対象

弱った体でのリハーサル指導

『ヌレエフ』P.303:
幕が上がると立ち上がり、ダンサーにマイムの仕方や動き方の指示をした。
Meyer-Stabley原本:
quand le rideau se baisse, il se redresse pour corriger une attitude ou indiquer un geste à l'un des danseurs.
Telperion訳:
幕が下りると身を起こし、姿勢を修正したり、ダンサーの1人にマイムを示したりした。

ヌレエフが最後に手掛けた「ラ・バヤデール」全幕の初日前日のリハーサル。

"se redresser"は「身を起こす、姿勢を正す」。翌日の「ラ・バヤデール」初演後のカーテンコールで、ダンサーに支えてもらう必要があったほど体力が失われていたことを考えても、ヌレエフはベッドに身を置いたままだろう。

"se baisser"は「下がる」。まず通し稽古が行われ、幕が下りてからヌレエフが指示を与えている。

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール

Telperion

Author:Telperion
バレエへの関心が芽生えたのは2011年1月。その翌月に読んだ『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』は、そんな新参の私から見ても、間違いや意味不明な記述が多すぎました。その原因のほとんどが翻訳のひどさだと気づいたことからブログ開設を思い立ち、今は同じ訳者による邦訳本3冊を取り上げています。詳しくはこのブログでしたいこと 第3版をご覧ください。
フランス語の学習を始めたのは『ヌレエフ』に出会う少し前。まだまだ知識は浅く、至らぬところもあるでしょう。お気づきのことはぜひ知らせてください。リンクはご自由に。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
タグ

マーゴ・フォンテーン エリック・ブルーン ノートルダム・ド・パリ パトリック・デュポン マリア・トールチーフ ミック・ジャガー 

全記事表示リンク

全ての記事を表示する