伝記『ヌレエフ』の翻訳の検討

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)と『ヌレエフとの密なる時』(ローラン・プティ著、新倉真由美訳、新風舎)の誤訳と改変。『バッキンガム宮殿の日常生活』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)の一部も対象

2番目のバレエ教師との出会いは1950年

『ヌレエフ』P.31:
バレエ教師は一九五〇年になっても根気よくその才能溢れる生徒を励まし続けた
Meyer-Stabley原本:
en cette année 1950, son professeur de danse ne cesse d'encourager son talentueux élève et de lui transmettre son modeste savoir.
Telperion訳:
この1950年、バレエの先生は才能ある生徒を励まし続け、ささやかな知識を伝え続けた。

少年のヌレエフが2番目に師事したバレエ教師について。

「一九五〇年になっても」だと、そのずっと前の年から教えていたかのような印象を受ける。しかしこのバレエ教師エレーナ・ヴォイトヴィチがヌレエフに教えるようになったのは、ヌレエフが1949年に出会ったアンナ・ウデルツォーワに1年半師事した後とあるので(訳本P.30)、1950年より前ではありえない。

いつのことについて書いている文なのかに無頓着な例
P.128 六七年からスウェーデンロイヤルバレエ団を率いていた(「三日月クラシック」より)

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Author:Telperion
バレエへの関心が芽生えたのは2011年1月。その翌月に読んだ『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』は、そんな新参の私から見ても、間違いや意味不明な記述が多すぎました。その原因のほとんどが翻訳のひどさだと気づいたことからブログ開設を思い立ち、今は同じ訳者による邦訳本3冊を取り上げています。詳しくはこのブログでしたいこと 第3版をご覧ください。
フランス語の学習を始めたのは『ヌレエフ』に出会う少し前。まだまだ知識は浅く、至らぬところもあるでしょう。お気づきのことはぜひ知らせてください。リンクはご自由に。

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