伝記『ヌレエフ』の翻訳の検討

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)と『ヌレエフとの密なる時』(ローラン・プティ著、新倉真由美訳、新風舎)の誤訳と改変。『バッキンガム宮殿の日常生活』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)の一部も対象

エレーヌ邸はレストラン

『ヌレエフ』P.206:
ニューヨークのエレーヌ邸
Meyer-Stabley原本:
Elaine's à New York
Telperion訳:
ニューヨークのエレインズ

ヌレエフがアーノルド・シュワルツェネッガー(訳本での表記は「アーノルド・シュワルツネッガー」)と会食した場所。Elaine'sはかつてセレブが集ったレストランで、英語wikipediaに項ができたり、閉店がNew York Times紙の地域面記事になったりするほど有名だった。

店名の由来はオーナー、エレイン・カウフマン(Elaine Kaufman)の名なので、アメリカの店をフランス語発音で呼ぶべき理由がないのを別にすると、「エレーヌ邸」と呼ぶのはそれほどおかしくはない。でも「エレーヌ邸」ではこの場所がレストランだという肝心なことが分かりにくく、何の注釈も付けないなら「エレインズ」のほうが店名らしく見える。実際に日本では「エレインズ」という表記が一般的らしいので、それを採用した方が分かりやすいかと思う。

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Author:Telperion
バレエへの関心が芽生えたのは2011年1月。その翌月に読んだ『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』は、そんな新参の私から見ても、間違いや意味不明な記述が多すぎました。その原因のほとんどが翻訳のひどさだと気づいたことからブログ開設を思い立ち、今は同じ訳者による邦訳本3冊を取り上げています。詳しくはこのブログでしたいこと 第3版をご覧ください。
フランス語の学習を始めたのは『ヌレエフ』に出会う少し前。まだまだ知識は浅く、至らぬところもあるでしょう。お気づきのことはぜひ知らせてください。リンクはご自由に。

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