伝記『ヌレエフ』の翻訳の検討

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)と『ヌレエフとの密なる時』(ローラン・プティ著、新倉真由美訳、新風舎)の誤訳と改変。『バッキンガム宮殿の日常生活』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)の一部も対象

このブログでしたいこと

訳本『ヌレエフ』の問題

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』(新倉真由美訳、文園社)は、フランスで出版された『Noureev』(Bertrand Meyer-Stabley著、Éditions Payot & Rivages)の日本語訳として出版されました。この本について私がここで取り上げたい問題は、主に以下の3つです。

  1. 仏文和訳の失敗。単語の見間違い、見落とし、構文解釈の失敗など
  2. 仏和辞書にはあるが、文脈には合わない単語が選択される。当時や実在の人物の説明など。以下は一例
  3. 原文のうち、新倉真由美あるいは文園社の思い込みや願望と合致しない部分が訳されない。以下は一例

その結果、訳本『ヌレエフ』は以下のような本です。

  1. 事実誤認の多さに、著者のジャーナリストとしての資質を疑いたくなる。以下は参照記事
  2. 登場人物の心理や行動、筆者の叙述に脈絡がなく、どういう意図があってのことかと困惑させられる。以下は一例
  3. ヌレエフを初めとする人物像が原書と異なっている。以下は参照記事

出版にはコストやスケジュールも考慮しなければならず、推敲が不十分なまま出版されるのも、ある程度はやむを得ないでしょう。しかし『ヌレエフ』の場合、最初から原本を尊重する意図があったのか疑わしくなるレベルだと思います。

「三日月クラシック」とこのブログ

もともと、訳本『ヌレエフ』の間違い探しは、別なブログ「三日月クラシック」で前から始まっていました。訳本を読むだけでも分かる奇妙な記述は、それだけ多いのです。私も指摘コメントを何度も投稿しました。だから特に目立つ間違いは、「三日月クラシック」のまとめ記事群で読むことができます。

このブログで取り上げるのは、最近まで気付かなかった間違いや、確信するまで時間がかかった個所、投稿済のものより後回しにして差し支えないと考えた個所です。だから「三日月クラシック」にあるものに比べると地味な一覧になるでしょう。それでも、いろいろな発見があるはずです。

2013/1/18
記事のサンプルを追加

コメント

コメントの投稿

管理者にだけ表示を許可する
メールフォーム

名前:
メール:
件名:
本文:

プロフィール

Telperion

Author:Telperion
バレエへの関心が芽生えたのは2011年1月。その翌月に読んだ『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』は、そんな新参の私から見ても、間違いや意味不明な記述が多すぎました。その原因のほとんどが翻訳のひどさだと気づいたことからブログ開設を思い立ち、今は同じ訳者による邦訳本3冊を取り上げています。詳しくはこのブログでしたいこと 第3版をご覧ください。
フランス語の学習を始めたのは『ヌレエフ』に出会う少し前。まだまだ知識は浅く、至らぬところもあるでしょう。お気づきのことはぜひ知らせてください。リンクはご自由に。

カテゴリ
最新記事
最新コメント
月別アーカイブ
タグ

マーゴ・フォンテーン エリック・ブルーン ノートルダム・ド・パリ パトリック・デュポン マリア・トールチーフ ミック・ジャガー 

全記事表示リンク

全ての記事を表示する