伝記『ヌレエフ』の翻訳の検討

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)と『ヌレエフとの密なる時』(ローラン・プティ著、新倉真由美訳、新風舎)の誤訳と改変。『バッキンガム宮殿の日常生活』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)の一部も対象

ヌレエフが口にした人数の意味

『ヌレエフ』P.259:
八〇人のダンサーたちを踊らせ、
Meyer-Stabley原本:
faire danser cent quatre-vingts personnes,
Telperion訳:
180人を踊らせ、

ヌレエフが語るところの、オペラ座と契約した目的の一つ。180(cent quatre-vingts)とは、Meyer-Stableyが述べるところのバレエ団のダンサー総数で、訳本P.272でも「団員180人のうちエトワールは12名」という形で触れられている(訳本では「団員」でなく「コールドバレエ」だが、エトワールを含む人数なので、群舞ダンサーの意味ではない)。

ロンドンのタイム誌」でも書いたように、誤植を単独で取り上げるのは私の目的ではない。しかし、80人のままだと「パリ・オペラ座バレエは150人を超えるダンサーを抱えているはずだが、80人とはどういう意味だろう?直前で触れられた『白鳥の湖』に動員された人数だろうか?」という疑問を抱くし、訳本を読むだけでは180人が正しいと推測しにくいので、はっきりさせることにした。

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Author:Telperion
バレエへの関心が芽生えたのは2011年1月。その翌月に読んだ『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』は、そんな新参の私から見ても、間違いや意味不明な記述が多すぎました。その原因のほとんどが翻訳のひどさだと気づいたことからブログ開設を思い立ち、今は同じ訳者による邦訳本3冊を取り上げています。詳しくはこのブログでしたいこと 第3版をご覧ください。
フランス語の学習を始めたのは『ヌレエフ』に出会う少し前。まだまだ知識は浅く、至らぬところもあるでしょう。お気づきのことはぜひ知らせてください。リンクはご自由に。

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