伝記『ヌレエフ』の翻訳の検討

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)と『ヌレエフとの密なる時』(ローラン・プティ著、新倉真由美訳、新風舎)の誤訳と改変。『バッキンガム宮殿の日常生活』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)の一部も対象

たまたま同じ店にいたのではない

『ヌレエフ』P.86-87:
クララは彼をクレイジー・ホースやスラヴ系のレストランのドミニクで見かけ、
Meyer-Stabley原本:
Elle lui fait découvrir le Crazy Horse et Dominique, le restaurant slave.
Telperion訳:
クララは彼にクレイジー・ホースやスラブ系レストランのドミニクを見せた。

ヌレエフの亡命の立役者となるクララ・サンとの交友。

原文は使役文で、直訳は「彼女は彼にクレイジー・ホースやスラブ系レストランのドミニクを発見させた」。パリを初めて訪れ、不案内なヌレエフをクララ・サンが名物スポットに連れ出したのだろう。KGBにとって偶然会うより気に障る事態なのは無理もない。

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Author:Telperion
バレエへの関心が芽生えたのは2011年1月。その翌月に読んだ『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』は、そんな新参の私から見ても、間違いや意味不明な記述が多すぎました。その原因のほとんどが翻訳のひどさだと気づいたことからブログ開設を思い立ち、今は同じ訳者による邦訳本3冊を取り上げています。詳しくはこのブログでしたいこと 第3版をご覧ください。
フランス語の学習を始めたのは『ヌレエフ』に出会う少し前。まだまだ知識は浅く、至らぬところもあるでしょう。お気づきのことはぜひ知らせてください。リンクはご自由に。

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