伝記『ヌレエフ』の翻訳の検討

『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)と『ヌレエフとの密なる時』(ローラン・プティ著、新倉真由美訳、新風舎)の誤訳と改変。『バッキンガム宮殿の日常生活』(Bertrand Meyer-Stabley著、新倉真由美訳、文園社)の一部も対象

Fontesはフォンテーンの母の地元でなく旧姓

『ヌレエフ』P.132:
フォンテーンはブラジル出身でフォント育ちの母親の名前からつけたステージネームだった。
Meyer-Stabley原本:
(Fonteyn, son nom de théâtre, lui vint de sa mére, elle-même née Fontes, d'origine brésilienne)
Telperion訳:
(芸名フォンテーンは、自身の旧姓がフォンテスであり、ブラジル出身の母に由来する)

ヌレエフの無二のパートナー、マーゴ・フォンテーンの説明から。

néeは「生まれた」という意味。néeの直後に名前が続く場合、その名前は生まれたときの名を意味する。引用文ではnéeの直後にFontesが続いているので、Fontesは母が生まれたときの名。ちなみに、「旧姓は」という意味のnéeは、英語にもなっている。

生まれた場所を示すためにnéeを使う場合、「née + 場所を示す前置詞(àなど) + 場所の名前」となる。引用文はその語順でないので、Fontesは地名ではない。

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Author:Telperion
バレエへの関心が芽生えたのは2011年1月。その翌月に読んだ『ヌレエフ 20世紀バレエの神髄 光と影』は、そんな新参の私から見ても、間違いや意味不明な記述が多すぎました。その原因のほとんどが翻訳のひどさだと気づいたことからブログ開設を思い立ち、今は同じ訳者による邦訳本3冊を取り上げています。詳しくはこのブログでしたいこと 第3版をご覧ください。
フランス語の学習を始めたのは『ヌレエフ』に出会う少し前。まだまだ知識は浅く、至らぬところもあるでしょう。お気づきのことはぜひ知らせてください。リンクはご自由に。

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